欧州宇宙機関(ESA)はこのほど記者会見で、資金問題や政治面を理由に、国際宇宙ステーション以外のステーションへは飛行士を派遣しないと発表した。宇宙ステーションは現在、アメリカ、ロシア、カナダ、ヨーロッパ、日本が共同建設した国際ステーションと、中国の「天宮」の2つのみがあり、EUは今回の決定で「天宮」への派遣はしないということになる。
ESAと中国は2014年に、宇宙の探索や宇宙科学、有人飛行など様々な分野での協力計画を打ち立てていた。それ以降、中国の初めての火星探査の際にESAが「天問一号」の遠隔操作や追跡に部分参加するなど、両者は宇宙で様々な協力事業を行っていた。
またESAは2016年まで、「天宮」への乗船に向けて中国に宇宙飛行士を派遣し、中国の乗組員とともに勉強や訓練を進めていた。
ESAがこのような友好関係を一変させたことについて中国は、アメリカからの圧力が原因ではないかと見ている。中国日報社EU支社の陳衛華社長はツイッターで、「EUあるいはESAはアメリカに平身低頭し、科学的探査を政治化している。これはまるでEUの恥だ」とコメントしている。
(中国経済新聞)