トヨタ自動車は10日、2022年の中国市場における新車販売台数が前年比0.2%減の194.06万台だったと発表した。前年実績を下回るのは10年ぶりで、同社は、新型コロナウイルスの感染拡大が前年割れの主な原因だとしている。
トヨタの中国での販売台数は、12月の前年同月比19.8%減を含め、2022年11月から2カ月連続で減少した。中国では「ゼロコロナ」政策による行動規制に基づき、感染者が急増した11月にはトヨタの販売店が一時営業停止となった。また、多くの工場が閉鎖されたことで生産台数が減少した。
一方、ホンダは、12.1%減の137.31万台で、日産自動車は22.1%減の104.52万台で、それぞれ2年連続、4年連続の前年割れとなった。広州にある販売店によると、日系自動車の販売台数の約1/3を占める広東省は、日系自動車メーカーにとって最も重要な市場となっている。2022年4月と11月の広州における感染拡大により、販売店が2ヶ月以上の営業停止となったことで、販売台数が30%も減少した。
また、中国における日系合弁自動車メーカーも販売台数が低迷している。その背景として、日系、ドイツ系等の合弁会社で半導体不足が続いており、生産と販売において影響を受けている。加えて、90後(1990年代生まれの世代)の消費意識が変化しており、国内メーカーの自動車が以前にも増して好まれている。
最近では、トヨタ、ホンダ、日産などが、中国市場で電気自動車(EV)事業を加速させているが、中国における新エネ車販売台数のトップ15にはランクインしていない。日系メーカーは、EV市場で弱小勢力となっており、乗用車販売で受ける圧力が次第に大きくなっている。
(中国経済新聞)