12月1日、中国国有石油大手の中国海洋石油集団有限公司(China National Offshore Oil Corporation以下、中国海洋石油)は、世界最大の海底油田であるブラジルのブジオス(Búzios)油田の権益5%を約19億米ドル(約2545億円)で追加取得したと発表した。同社は、2019年にブジオス油田の権益5%をブラジルの国営石油会社ペトロブラス(Petrobras)から取得しており、今回の追加取得により、同社が保有する権益は10%にまで増加した。
2018年4月に始まったブジオスプロジェクトは、探鉱範囲が平均2,000mを超え、現在日量約60万バレルの原油を生産する世界最大の深海油田となっている。2019年11月6日、ブラジル国家石油庁(ANP)が実施したブロック入札において、中国海洋石油、中国石油天然気股份有限公司(PetroChina)、ペトロブラスからなるコンソーシアムが落札している。
中国海洋石油は現在、ブラジルでブジオス、リブラなど5つの大規模油田の権益を保有しており、ブラジルにおける油田の開発協力を基盤として、優秀な人材の育成と大型プロジェクトの管理能力を一層強化し、中国企業のブランドイメージを構築していく方針を示している。
中国海洋石油の汪東進(Wang Dongjin)会長は、「今回の権益取得の成功は、世界中の海底油田・天然ガス開発プロジェクトにおいて、技術や管理の面で更なる参画を推進し、同社の海外資産買収プロジェクトを規模拡大から高品質開発へと転換・高度化する上で重要なステップとなる。また、同社は、石油・天然ガス開発、科学技術革新、グリーン低炭素開発において更なる協力を推し進め、国際協力の新しい空間を広げ成果を共有していく」と述べている。
(中国経済新聞)