10月7日夜、ファーウェイは社内掲示板「心声社区」で同社監査役会副社長の丁耘(ライアン・ディン)氏が10月7日未明、急病により53歳の若さで亡くなったと発表した。
ファーウェイの公式サイトによると、丁氏は1969年生まれ、同社に26年間勤務しており、監査役会副社長、総幹部部長、同社グループ会社総裁、通信事業者総裁などを歴任したファーウェイの重要な管理者の一人であった。このうち、グループ会社と通信事業だけで、ファーウェイに毎年約4000億元(約8.1兆円)の収益をもたらしていた。
ファーウェイが発展していく重要な時期に、丁氏の突然の死はファーウェイにとって大きな損失であり、丁氏自身も予期せぬ死に悲しんでいるだろう。
近年の報道を見ると、富裕層の起業家、企業経営者、業界のエリートなど、一見元気で自己管理能力の高い若いホワイトカラーが、毎年のように突然死する事例が起きている。
今年に入ってから丁氏以外にも、AI技術開発の曠視科技(Megvii Technology)首席科学者で曠視研究院院長の孫剣(スン・ジエン)氏、韓国の有名な芸術家で漫画家の金政基(キム・ジュンギ)氏など、著名人の急逝があったばかりだ。それ以前にも、朗科智能(longood )の会長兼総経理の劉顕武(リュウ・シエンウ)氏、大特保(datebao)創業者の周磊(ジョウ・レイ)氏、オンラインレジャー旅行会社の途牛(Tuninu)副総経理の李波(リー・ボ)氏、オンライン医療サービスプラットフォームの春雨医生(Chunyu Doctor)CEOの張鋭(ジャン・ルイ)氏、アリババグループのデータディレクター欧吉良(オウ・ジリャン)氏などがいる。
彼らの早すぎる死の原因は何なのか。同じような悲劇が繰り返されないようにするには、どうしたらよいのか。
調査によると、マラソンは突然死が最も多い分野であることが分かっている。運動は体に良いが、過度の運動は「非時限式爆弾」になりかねない。情報筋によると、丁氏は国慶節に部下を連れて夜明け前に出発し、浙江湾付近の28.55キロを走った。マラソンをこよなく愛する丁氏は、これまで休息時間のほとんどを高強度の運動に費やしており、活動的で健康的な人という印象を持たれていた。
同じように急死した多くは、フィットネスや激しい運動をしている人たちだった。今年6月中旬、「AI四小龍」の一つである曠視科技の首席科学者で曠視研究院院長の孫剣氏が急病のため亡くなった。孫氏は「人工知能の父」と呼ばれており、亡くなった時はまだ45歳だった。聞くところによると、彼はスポーツが好きで、夜中に走る習慣があり、夜走って帰ってきてから発病した。研究者は、このような運動中または運動後24時間以内に発生する死亡を「運動による突然死」と定義している。
イタリアの調査では、非アスリートにおける運動による突然死の発生率は10万人あたり0.9人であった。中国では、マラソンは運動による突然死の発生率が最も高いスポーツで、武漢体育学院の王再聡氏によると、2012年から2021年の間に人民日報オンラインに掲載されたマラソンによる突然死関連の報道は136件だった。
疲労は高い危険因子で、長引く疲労は免疫力を低下させ、血圧や脂質、血糖値の上昇を招き、さらに呼吸器や消化管感染症が加われば、そのリスクはさらに大きくなる。しかし、こうした反面、運動は私たちに様々なメリットをもたらしてくれる。研究によると、自分の健康状態を把握した上で適切な運動を行うことで、慢性疾患の予防や死亡リスクの低減につながることが結論付けられている。
ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者が最近Circulation誌に発表した論文によると、ウォーキング、エアロビクス、ウェイトリフティングなどを週300〜600分すると心血管系の死亡リスクが最大で38%減少し、ジョギング、ランニング、水泳などの有酸素運動を週150〜300分すると死亡リスクが21〜23%減少する。
科学者たちはあらゆる確率を挙げているが、自分がどのグループに入るのか、皆見当がつかない。体力と健康の安全性の微妙なバランスを見つけることは、エリートビジネスマンにとっても一般社員にとっても理論やデータだけでは難しい。
(中国経済新聞)