9月18日、電気自動車をファーウェイと共同開発している中国自動車メーカー、賽力斯集団(以下、賽力斯)は、重慶两江新区(りょこしんく)管理委員会(以下、两江新区)と協力を強化するために、新たな戦略的協力協定に調印したと発表した。两江新区は、賽力斯のために新エネルギー車産業パークの建設、インフラの整備や関連設備に投資し、賽力斯は15億元(約306億円)を投じて特殊設備を購入し、新エネルギー車産業パークをリースする。
今回の発表によると、两江新区は賽力斯が指定した前述の工場設備を貸し出すことを認め、賽力斯と関連主体が製品・技術の研究開発を担当する中国で一流の技術研究開発センターを作り、新エネルギー車のアップグレード・プロジェクトにスマート電気自動車製品を段階的に導入していく予定だ。
また、両江新区と賽力斯の協力関係は長い歴史がある。
2019年には、賽力斯が両江新区にあるスマート自動車組立工場の稼働を開始、問界M5の生産拠点となり、30JPH(1時間当たりの生産台数30台)の生産能力を持つ。
両江新区の情報によると、新エネルギー車産業パークでの初期生産能力は30JPHに達し、将来的には120JPH、年間生産量は70万台以上になる見込みで、世界でも最大級の規模となる。
賽力斯の両江新区スマート組立工場と鳳凰工場それぞれ30JPHの生産能力を合わせると、将来的には年間100万台の生産能力を持つことになる。
なお、賽力斯が過去に建設した両江新区スマート組立工場と鳳凰工場の投資総額は、それぞれ25億元(約510億円)と40億元(約817億円)を超えている。
生産能力を積極的に拡大する新勢力は賽力斯だけではない。今年、小鵬汽車の広州工場と武漢工場が稼働を開始し、生産能力は合わせて年間60万台以上を見込んでいる。上海蔚来汽車の合肥第2期工場は、ローエンドモデルとミドルレンジモデルの生産を計画しており、生産能力は年間50万台とみられ、その後100万台に達する予定だ。また、全国の新エネルギー車市場シェアの20%を目指すと豪語する理想汽車も、今年新たな生産能力の増強を計画しており、年間160万台規模を目指している。
(中国経済新聞)