中国の国有投資銀行である中国国際金融股份有限公司(CICC以下、中金公司)が行った研究「2021年の中国における世帯人員1人当たりの月収分布」によると、2.2億人の中国人が月収500元(約1万円)以下であることがわかった。
改革開放から40年、中国は確かに大変革を遂げた。2010年以降、中国は世界第2位の経済大国となり、2021年には中国の一人当たりGDPも1万ドルを超え、国力は更に強まっている。しかし、一人当たりのGDPと一人当たりの収入はイコールではなく、ほとんどの人にとって主な収入源は賃金で、副収入がある人は多くなく、毎月賃金が支払われるのを待って生活している状態だ。
中国は人口が多く、多くの産業で多くの仕事があるため、収入にはばらつきがある。
中金公司の研究では、世帯を単位として14 億人の1人当たりの月収を11の階層に分け、また、それぞれの階層によって人数が異なる。
月収0円の人が546万人、月収0〜500元の人が2.1589億人、月収500〜800元の人が2.0203億人、月収800〜1000元の人が1.2404億人で、2億人以上が月収500元以下、約5.5億人が月収1000元以下ということになる。
これ以前に、李克強首相が中国では6億人が月収1000元(約2万円)以下であると述べているが、これは事実のようだ。
月収1000〜1500元が2.4389億人、1500〜2000元が1.7263億人、2000〜3000元が2.0735億人、3000〜5000元が1.5695億人であった。
これらを計算すると、人口の94.87%にあたる13.2824億人が月収5000元以下であることがわかる。つまり、月収が5000元以上であれば、実質的に約95%の人を上回ることになる。
月収5000〜10000元が6328万人、10000〜20000元が784万人で、実収入が2万元(約40万円)以上の人は70万人しかいない。
しかし、中金公司の統計に納得していない学者もいる。ファーウェイ、テンセント、アリババ、シャオミなどの大手IT企業は、合わせて数百万人の従業員を抱え、平均月給はそれを上回る。これにさまざまな業界の高所得者を合わせると、月収が2万元を超える人は70万人を超えている。
(中国経済新聞)