スポーツ用品大手のアンタ、売上高で初めてNIKE Chinaを上回る

2022/08/30 10:45

8月23日、中国のスポーツ用品製造・販売大手であるアンタ(安踏体育用品有限公司)が2022年の中間決算を発表し、上半期の売上高は前年同期比13.8%増の259.65億元(約5202億円)となり、市場予想を上回って過去最高となった。また同時に、アンタは2022年度上半期(2021年12月1日~2022年5月31日)に236.81億元(約4747億円)の売上高であったNIKE Chinaを抜き、中国でのスポーツ市場シェアNo.1という目標を前倒しで達成した。

財務諸表によると、2022年上半期、福建省に本社を置くアンタの売上高は同時期のNIKE Chinaの1.1倍、李寧有限公司(LI-NING以下、李寧)の2.1倍、Adidas Chinaの2.13倍に相当する。国際的なスポーツブランド大手のNIKEやAdidasが数四半期連続で中国市場で下落しており、国内のスポーツブランドが追い上げを加速させている。また、今年上半期、李寧の売上高は21.7%増の124.09億元(約2,486億円)、特歩国際(エクステップインターナショナル)の売上高は37.5%増の56.84億元(約1139億円)で、過去最高を記録した。

中国のスポーツ市場でトップに立ったアンタは、依然として激しい競争に直面している。 Nike Chinaの上半期売上高の統計には、618商戦とNikeブランド傘下のConverseの売上高は含まれておらず、単一ブランドの李寧の上半期の売上高はアンタやFILAと同程度であった。アンタの上半期の売上高に占める研究開発費の割合は2.3%で、昨年とほぼ変わらず、過去5年間で最低の水準となったが、この値はNikeとAdidasでは10%に迫っている。また、アンタの上半期の平均在庫回転日数は145日で、李寧(55日)や特歩国際(106日)などの競合他社を大きく上回った。 

(中国経済新聞)