中国航空業界、上半期は1000億元以上の赤字 12社が債務超過

2022/07/10 14:00

中国民間航空局の局長に新たに就任した宋志勇氏は、テレビ電話形式で行われた年間の中間業務報告会議で、「今年上半期はコロナのぶり返しで落ち込み、1日の運行本数は最も少ない時で2019年同期のわずか17.8%の2967本であり、赤字額は1089億元に達した」と発表した。

航空業界はコロナの前まで黒字が11年間続き、2019年の利益総額は549億元であったが、コロナ以降は累積赤字が3000億元近くに達しているという。「航空各社の負債比率はコロナ前より11.9ポイント上がって82.2%、うち12社が100%を超えている」とのことである。

こうした巨額の赤字は、収入の低下やコストの急増によるものである。

中国航空業界は、コロナ前の2018年と2019年は営業収入がいずれも1兆元を超えていたが、今年上半期は41.8%ダウンの3072億元であった。

今回の報告で示された上半期のデータとして、業界全体の貨物輸送量は2019年同期の46.7%の293.4億トンキロ、利用者数は同じく36.7%ののべ1.18億人、貨物便の輸送数量は同87.5%の307.7万トン、1日の飛行本数は同50%のおよそ8000本となっている。

また、1日の機体の利用時間はコロナ前より4.9時間少ない4.4時間で、全体の15.2%にあたる615機が未使用の状態である。

収入減に加えてコストも増大している。

宋氏によると、国際原油価格の大幅な値上がりで燃料コストが前年同期より222億元増え、年間では860億元の負担増となるほか、ドルに対する人民元の値下がりで為替差損が167億元増大している。コロナ対策が必須となった今、航空各社は一段と苦しい状態に陥っている。

注:10日現時点の為替レート 1元=20.33円

(中国経済新聞)