中国石油、上期利益が過去最大級の1,000億元超 「石油」から「総合エネルギー」へ

2026/08/31 13:30

中国石油天然気(ペトロチャイナ)の2026年上期(1~6月)業績が好調だ。2026年8月30日に発表した決算によると、親会社株主に帰属する純利益は前年同期比22.0%増の1039億3600万元(約2兆4740億円)となり、上期として初めて1000億元の大台を突破した。

売上高は5.3%増の1兆5274億9100万元(約36兆3540億円)。基本1株利益は0.57元(約13.57円)だった。原油・天然ガス生産の拡大に加え、新エネルギーや新素材など成長分野への投資が収益を押し上げた。

上期の石油・天然ガス生産量を原油換算した「油ガス当量」は9億2100万バレルに達した。中国国内の原油生産量は3億9300万バレル、販売可能な天然ガス生産量は2兆6600億立方フィートとなり、国内の天然ガス生産量と油ガス当量はいずれも過去最高の上期実績を更新した。主力の油ガス事業と新エネルギー事業を合わせた営業利益は1004億4800万元(約2兆3910億円)となった。

中国石油は、エネルギー安全保障を背景に国内の油ガス資源開発を強化する一方、従来型の石油・ガス企業から総合エネルギー企業への転換を急いでいる。

新エネルギー分野では、太陽光・風力発電などの再生可能エネルギー事業が拡大している。上期の風力・太陽光発電量は50億7000万キロワット時で、前年同期比37.3%増加した。

地熱暖房では、新規契約面積が6000万平方メートルを超えた。また、脱炭素化に向けた「ゼロカーボン工場」の建設を進めるとともに、二酸化炭素の回収・利用・貯留(CCUS)にも注力。上期の二酸化炭素注入量は137万3000トンで、前年同期比14.2%増となった。

石油・天然ガスに依存する従来型ビジネスを維持しながら、再生可能エネルギーやCCUSを組み合わせることで、エネルギー転換への対応を進めている。

精製・化学部門では「量から質へ」の転換が進んだ。上期の原油処理量は6億5500万バレル、石油製品生産量は5434万6000トンとなった。

一方、化学製品の商品販売量は前年同期比6.7%増の2131万8000トン。エチレンとパラキシレンの生産量はいずれも上期として過去最高を記録した。

特に注目されるのが新素材だ。新素材の生産量は268万8000トンで、前年同期比61.4%増。5年連続でおおむね50%前後の高成長を維持している。精製・化学品・新素材事業の営業利益は145億2500万元(約3457億円)となった。

これは、中国石油が単なる「原油を掘って売る企業」から、高付加価値の化学品や新素材まで手掛ける総合エネルギー・素材企業へと事業構造を変えつつあることを示している。

LNG・EV充電など「総合エネルギー」へ転換。販売事業でも事業転換が進んだ。上期には総合エネルギーステーションを592カ所新設し、そのうちLNG給油・充填ステーションは208カ所を新たに稼働させた。さらにEV向け充電器を1万8500基新設した。

中国国内の石油製品販売では、市場シェアが前年同期比0.2ポイント上昇。車載LNGの小売販売量は78.7%増、EVの充電量は1.5倍に拡大した。

非石油事業も利益を伸ばし、国際貿易事業では粗利益が増加。販売事業の営業利益は113億6300万元(約2704億円)となった。

天然ガス販売量は1612億2000万立方メートルで、前年同期比3.9%増。うち国内販売は1248億9000万立方メートルで1.1%増となり、天然ガス販売事業の営業利益は240億8700万元(約5733億円)だった。

今回の決算で浮かび上がるのは、中国石油が石油・天然ガスの生産拡大だけに頼らず、事業ポートフォリオを大きく変えようとしている姿だ。

中核となる油ガス事業では国内生産を強化し、収益基盤を確保。その一方で、LNG、EV充電、風力・太陽光、地熱、CCUS、新素材などへ事業領域を広げている。

特に新素材生産が61.4%増、風力・太陽光発電量が37.3%増、車載LNG小売量が78.7%増、充電量が1.5倍となったことは、同社の事業転換が具体的な数字として表れている。

中国石油は2026年下期について、国内外のマクロ経済や原油・天然ガス市場の動向を注視しながら、「イノベーション、資源、市場、国際化、グリーン・低炭素」の5つの戦略を引き続き推進するとしている。

石油・天然ガスの生産と供給を安定させると同時に、新エネルギー、新素材、環境関連事業の成長を加速させ、収益力の向上を図る方針だ。

上期純利益が初めて1000億元を突破した中国石油。約2兆5000億円規模の利益を生み出す巨大エネルギー企業は、従来型の石油・ガス事業を収益の柱として維持しながら、再生可能エネルギーや新素材を取り込む「総合エネルギー企業」への転換を本格化させている。

(中国経済新聞)