中国の大手家電メーカー、格力電器は8月26日夜、2026年上期(1~6月)の業績を発表した。売上高は前年同期比8.15%減の893億9800万元(約2兆1100億円)、親会社株主に帰属する純利益は同7.87%減の132億7800万元(約3130億円)となり、売上高と純利益がともに減少した。同社は中間配当を実施しない方針も明らかにした。
今回の減収減益は、中国の空調市場が上期に低迷したことに加え、海外事業が落ち込んだことなどが影響した。
中国の空調業界では、需要の弱含みと価格競争が続いている。奥維雲網(AVC)によると、2026年上期の中国国内家庭用エアコンの小売台数は前年同期比13.1%減の4096万台、小売額は同15.9%減の1221億元(約2兆8800億円)となった。特にオンライン市場では、2100元(約5万円)未満の低価格帯製品の構成比が54.45%まで上昇しており、価格競争の激しさがうかがえる。
輸出も厳しい。産業在線のデータによると、上期の中国家庭用エアコン輸出額は96億3000万ドル(約1兆4300億円)で、前年同期比10.4%減少した。また、中国の業務用エアコン市場の売上高も同1.7%減の684億3000万元(約1兆6200億円)となった。

格力電器の事業別売上高を見ると、家庭用エアコンなどのコンシューマー家電事業は740億7400万元(約1兆7500億円)で、前年同期比2.89%減少した。一方、全社売上高に占める割合は前年同期の78.38%から82.86%に上昇し、同事業への依存度が一段と高まった。
工業製品・グリーンエネルギー事業は86億5200万元(約2040億円)で同9.79%減少した。一方、スマート設備事業は3億7400万元(約88億円)で同19.02%増加。「その他の主力事業」は21億5600万元(約509億円)と同64.5%の大幅増となった。
地域別では、国内販売の主力事業売上高が725億1200万元(約1兆7100億円)となり、前年同期比1.9%増と堅調に推移した。
これに対し、海外販売の主力事業売上高は127億4400万元(約3010億円)で、前年同期比21.98%減と大幅に落ち込んだ。格力電器によると、中東地域では地政学的な紛争の影響を受け、事業収入が大きく減少した。
一方、欧州市場では明るい動きも見られる。ノルウェー、デンマーク、フィンランド、オランダなど北西欧諸国での販売規模は前年同期比92%増加した。また、自社ブランド製品の売上高が輸出総額に占める割合は70%まで上昇した。
海外販売の減少や原材料価格の高止まりなどが重なり、格力電器の上期純利益は前年同期を下回った。ただ、同社は経営戦略を調整し、収益性の維持にも取り組んでいる。
上期の純利益率は14.81%となり、前年同期から0.05ポイント上昇した。売上高と純利益がともに減少するなかでも、利益率を小幅に改善した格好だ。
中国国内の空調需要低迷や価格競争、海外市場を取り巻く地政学的リスクなど、格力電器を取り巻く経営環境は厳しさを増している。今後は、主力の空調事業の競争力を維持しながら、海外市場の開拓やスマート設備、グリーンエネルギーなどの新たな成長分野をいかに育成できるかが、業績回復の鍵となりそうだ。
※日本円換算は、1元=約23.6円、1ドル=約148円として概算。
(中国経済新聞)
