中国のロボットメーカー、宇樹科技(Unitree Robotics、証券コード:688836)は8月17日夜、上海証券取引所・科創板(STAR Market)への新規株式公開(IPO)に関する上場公告書を公表した。これによると、同社株式は2026年8月19日(水)、上海証券取引所の科創板に上場する。
今回の発行価格は1株当たり150.80元(約3571円)。上場後の時価総額は約609億9300万元(約1兆4,028億円)となる見通しで、同社が目論見書で明示していた上場基準を満たす。
四足ロボットで強み、人型ロボットの出荷量は世界首位
宇樹科技は汎用ロボット分野を手掛ける企業で、世界の四足歩行ロボット市場で高い競争力を持つ。人型ロボット分野でも事業を拡大しており、2025年度の出荷台数は5500台を超えた。これは車輪式の双腕ロボットを含まない純粋な人型ロボットの数字で、出荷量は世界1位だったとしている。
業績面では、2025年の売上高が16億9900万元(約391億円)、非経常損益を除いた純利益が5億9000万元( 約136億円)となった。
また、同社は2026年上半期の売上高について10億5200万元~11億2800万元( 約242億~260億円)、親会社株主に帰属する純利益について2億5800万元~3億600万元(約59億~70億円)を見込んでいる。

宇樹科技(Unitree Robotics)の創立者王興興氏
オンライン申込者は約978万人、科創板史上最低の当選率
宇樹科技のIPOは市場から大きな注目を集めた。オンライン申込の過熱などを背景に、オンラインで有効な申し込みを行った投資家数は約978万4600人に達し、科創板の新規上場銘柄として過去最多を更新した。
最終的なオンライン配分の当選率はわずか0.01809759%。科創板における過去最低の水準となり、同市場で「最も当選しにくい新規株」となった。
最終的な発行結果では、戦略的配分の投資家に合計808万9286株が配分された。オンライン投資家による購入株数は969万8266株、機関投資家などのオフライン投資家による購入株数は2265万148株だった。
オンラインおよびオフライン投資家が購入を放棄した8734株については、スポンサー兼主幹事会社がすべて引き受けた。
調達資金はロボットの研究開発と生産能力強化へ
宇樹科技は今回のIPOで調達する資金について、自社の競争優位性と今後の事業戦略を踏まえて活用する方針を示している。
主な投資先は、スマートロボットモデルの研究開発、ロボット本体の研究開発、新型スマートロボット製品の開発、スマートロボット製造基地の建設の4分野。
いずれも同社の主力事業に関連するもので、技術革新への投資を通じて資本力を強化するとともに、研究開発への投資拡大や量産・産業化能力の向上につなげる狙いだ。
上場後5営業日は値幅制限なし
科創板では通常、株価の1日の値幅制限が20%に設定されている。一方、新規上場株については、上場後最初の5営業日は値幅制限が設けられない。
このため、8月19日の上場後は宇樹科技の株価が大きく変動する可能性がある。同社自身も、株式市場にはリスクが存在するとしたうえで、新規上場銘柄への過度な追随や「新株買い」による投機を避け、リスクと開示された事業上のリスク要因を十分に理解したうえで、慎重かつ理性的に投資判断を行うよう投資家に呼びかけている。
世界の四足ロボット市場で存在感を高め、人型ロボットでも急速に事業を拡大する宇樹科技にとって、今回の科創板上場は今後の研究開発と量産体制をさらに強化するための重要な転機となりそうだ。
(中国経済新聞)
