雄安新区、高水準の現代化都市へ変貌

2026/08/27 08:30

2017年4月1日、中国は河北省に「雄安新区」の設立を正式に発表した。これは北京の非首都機能を分散し、京津冀(北京・天津・河北)協同発展を推進するための「千年の大計」と位置づけられた国家戦略である。設立から9年が経過した2026年現在、かつての農地と村落が広がる一帯は、計画的な都市建設を通じて、高水準の現代化都市へと着実に姿を変えつつある。

年間4・7兆円以上の投資

 設立当初の2年間、雄安新区はほとんど建設工事を行わなかった。「一寸の土地も明確に計画してから工事に着手する」という方針の下、詳細な都市設計とインフラ計画に時間を費やした。この「遅さ」と「静けさ」は、都市の長期的な規律を尊重する姿勢の表れであった。その後、本格的な建設が加速し、現在では累計5345棟の建物が立ち上がり、開発総面積は215平方キロメートル、総建築面積は5859万平方メートルに達している。「第14次五カ年計画」期間中は毎年2000億元(約4兆7190億円)以上の投資規模を維持し、2026年上半期の固定資産投資は河北省内でトップの前年同期比10・3%%増を記録した。

 建設の最も目に見える成果は、中央企業(央企)の本部移転である。中国星網本部および関連企業が2024年10月に入居を開始し、2025年10月9日には中国華能と中国中化の両央企が正式に雄安へ移転した。中国華能本部と直属機関の1000人超の職員が通常勤務を開始している。 中国鉱産本部プロジェクトの主体構造はすでに竣工し、内装工事が急ピッチで進められている。第2陣として移転する4社の央企本部プロジェクトはすべて着工し、中国誠通本部プロジェクトも2025年12月28日に着工した。現時点で8社の央企本部が雄安に移転・定着し、400社超の央企関連機関と4000社超の北京発企業が落地している。中国星網を核に、空天情報産業の上下流企業60社以上が周辺に集積し、「上下階が上下流」という産業連携が日常化している。

北京交通など四つ大学が移転

 教育と医療の受け皿整備も並行して進んでいる。第1陣の疏解(分散)対象である北京交通大学、北京科技大学、北京林業大学、中国地質大学(北京)の4大学雄安キャンパスでは、複数の棟の主体構造が順次竣工し、2027年の開学を目指している。北京理工大学や北京航空航天大学など第2陣の5大学も用地が確定した。医療面では、雄安宣武医院が安定した運営を続け、北京大学人民医院雄安院区が竣工し、北京協和医院雄安院区の建設も加速している。北京の高頻度行政手続き625項目が雄安で直接受理可能となり、「京雄同城化」が進んでいる。

 交通インフラは2026年に最も注目される進展を見せている。京雄快線は全長86キロメートル、8駅を備え、全国初の時速200キロメートル級GOA4完全自動運転の市域D型車両を採用する。土木工事はすでに完了し、設備の総合調整試験が進行中で、2026年下半期の開業を予定している。開業後は大興空港線と直通運転し、雄安から大興空港まで約30分、麗澤商務区まで約1時間で到達可能となり、北京地下鉄7路線へのシームレス乗り換えも実現する。

高速鉄道も整備完了

 さらに、2026年8月13日には、雄安駅から山西省忻州西駅を結ぶ雄忻高速鉄道の本線レール敷設が完了した。全長342キロメートル、設計最高速度時速350キロメートルで、「八縦八横」高速鉄道網の京昆通道を構成する重要な路線である。雄商高速鉄道河北区間も8月8日から試験運行を開始し、開業が近づいている。京雄高速道路二期も2026年中の完成を目指して路面工事が進み、保定と雄安を結ぶ便民快速バスが正式に運行を開始した。

 生態環境の改善も顕著である。設立から9年間で累計48・3万ムー(約3・2万ヘクタール)の植林を行い、緑化面積は74・3万ムーに拡大した。森林被覆率は設立前の11%から35%へ大幅に向上し、青と緑の空間が全体の70%を占め、建設済み区域は30%に抑えられている。白洋淀の水質はⅢ類基準を安定的に維持し、5年連続で全国の良好な湖沼に位置づけられている。淀区の野生鳥類は296種(設立前より90種増)、野生魚類は50種(同23種増)に回復し、青頭潜鴨や彩鹮などの希少種が定着している。

住宅が6万戸超建設された

 住民の生活基盤も着実に整いつつある。容東、容西、雄東の三大回遷(移転)地区がすべて完成し、高品質の市場向け住宅が6万戸超建設され、6万戸超の完成住宅が回遷住民に直接引き渡された。「15分生活圏」ではコミュニティ食堂、図書館、スポーツセンターが連携し、数元で温かい食事を提供する食堂も稼働している。疏解職員の生活も変化し、以前の「週末は北京に帰る」から「家族が雄安に来る」へと移行しつつある。易安コミュニティの17小区には4600人超が入居し、200項目超の行政サービスが北京と河北で相互利用可能となり、雄安交通バスは80万枚超発行され、バスや医薬品購入、受診が両地で共通利用できる。

 産業面では、人工知能分野の集積が進む。2026年8月6日、起動区科学園片区に雄安人工知能実習基地が正式に稼働し、新区初のAI実習班が開講した。現在96社のAI企業が集まり、約30の大規模モデルを研究開発している。自由貿易試験区には2500社超の企業が入居し、央企機関250社が落地。総合保税区の物流や越境電子商取引関連プロジェクトが建設中で、雄安と大興空港を結ぶ航空物流ルートが常態化している。

 雄安新区は、特定の都市の単なる複製でも、不動産主導の開発でもない。「枠組みを引き、雛形を示し、五新を展開し、要素を集め、階段を上る」という段階を経て、北京の非首都機能を受け入れるという使命を、具体的な建物、産業、緑地、軌道、教育・医療の形として実現しつつある。計画に時間をかけ、地下共同溝に管線を集約し、森林被覆率を大幅に高め、白洋淀に希少種を戻したその過程は、後から生まれる一寸一寸の空間に確実性を与えている。

 京津冀協同発展の全体像の中で、雄安は有効投資を継続し、都市の受け皿能力を高め、北京の非首都機能を効率的に吸収することで、京津冀の単一中心集中という課題を解消し、地域の都市配置を最適化する役割を果たしている。北京・天津と役割分担を明確にし、機能を補完し合う城市群の新たな構図を形成しつつ、北京の科技新成果を雄安で実用化へとつなげることで、北方地域の高質量発展を支える重要なエンジンとして成長を続けている。

(中国経済新聞)