竹が支えるグリーン産業 福建省三明市、「竹でプラスチック代替」を推進

2026/07/18 12:58

中国政府が2026年、「第15次5カ年計画(十五五)」に「竹によるプラスチック代替(以竹代塑)」の推進を盛り込み、グリーン・低炭素社会の実現に向けた重点戦略に位置付ける中、福建省三明市では豊富な竹資源を生かした産業高度化が進んでいる。従来の原竹販売から、高付加価値製品や先端技術の開発へと転換を図り、竹産業の競争力を高めている。

三明市は竹林面積が466万ムー(約31万ヘクタール)、年間のモウソウチク生産量は1億7,000万本、タケノコ生産量は82万トンを誇る中国有数の竹産地である。2025年の竹産業総生産額は336億元(約6,720億円、1元=20円換算)に達し、全国の約16分の1、福建省全体の約4分の1を占めた。関連企業は約150社、雇用者数は約20万人に上り、竹林従事者の1人当たり年間所得は4,310元(約8万6,200円)増加した。

三明市では、永安市を中核に、尤渓県、沙県区を中心とする「一核二翼」の産業配置を形成している。

永安市と尤渓県では竹板材や生活用品、沙県区や将楽県、建寧県では竹繊維や竹由来バイオ素材、タケノコ加工など、それぞれの地域特性を生かした分野に特化している。建寧県は福建省最大級のタケノコ加工拠点となり、沙県区で生産される水煮タケノコは日本市場で30%以上のシェアを占めている。

市はこれまでに5億元(約100億円)を投資し、高収量竹林90万ムーを整備したほか、竹林道路1,641キロメートルを建設し、竹林用モノレールや竹ノコ乾燥設備など1,000台以上の機械を導入した。永安市では人材・機械を共有する「竹師傅」プラットフォームも整備され、竹林1ムー当たりの年間生産額は1,000元(約2万円)から2,000元(約4万円)へ倍増し、一部モデル地区では6,000元(約12万円)に達している。

また、沙県区富口鎮では「村・企業連携」による竹林管理モデルを導入。村が竹林を企業へ貸し出すことで安定収入を確保し、企業側も原料供給を安定させる仕組みを構築している。現在、同地区には竹加工企業11社が集積し、2025年の産業クラスター生産額は8,300万元(約16億6,000万円)となった。

「竹を売る」から「技術を売る」へ。三明市では、科技イノベーションを軸に、竹産業を製品販売から技術・サービス提供型へ転換する取り組みも進んでいる。

福建陽竹新材料科技有限公司は、竹繊維超ナノ微粉末製造技術を開発し、竹加工時に発生する端材や廃材を微粉末化。生分解性樹脂(PBAT、PLA)と組み合わせることで、宅配袋、ごみ袋、農業用マルチフィルム、使い捨て食器など高付加価値製品を製造している。

同社は年間100万トンの竹粉を使用し、そのすべてを竹廃材から調達している。600~2,000メッシュまで微粉砕した竹粉の販売価格は1トン当たり3,000元以上(約6万円以上)で、従来廃棄されていた資源を新たな収益源へ転換している。竹農家も竹廃材の販売によって、1戸当たり年間1万元超(約20万円超)の増収につながっているという。

このほか、福建省新創芸竹木科技有限公司は食品向け無塵工場を備え、環境配慮型の竹製食器や竹製工芸品を生産するとともに、生産設備の自社開発にも取り組む。約20本の生産ラインが稼働し、1日当たり約200トンの竹材を加工。2025年の売上高は5,000万元(約10億円)となり、2026年はさらに20%の増加を見込んでいる。

(中国経済新聞)