上海と江蘇省昆山市の間を3か月間も出勤できなくなっている会社の社員が、17日に抗議活動を行い、この映像がネット上に配信されている。
上海に隣接する工業都市である昆山市は、外資系企業が数千社もあり、社員の多くは上海から通勤しているほか、昆山から上海の会社に通勤している人もいる。しかし今回、上海がコロナでロックダウンしたことにより、両地域を結ぶ道路が通行止めとなり、人の往来ができずに各社とも操業が果たせなくなったうえ、社員も失業状態に陥り、収入面も生活面も甚大な影響が出ている。
17日、これらの企業の社員数百人が、昆山市と上海の境界にある陸橋の下で抗議集会を行い、この模様がかなりの反響を呼んでいる。
昆山市は6月19日、市内の居住者および勤務者に対して、6月20日(月)6:00から上海との通勤を認めると発表した。ただし、アプリによる「滬昆通勤証」の発行が必要とのことである。(「滬」は上海市の略称)
通勤するにはまず、24時間以内にAPPで個人情報、承諾書、24時間以内のPCR陰性証明などを記入し、審査を経たのちに通勤証を取得する。また毎日PCRチェックを行い、24時間以内の陰性証明によりアプリを更新する必要がある。
昆山市政府によると、上海との間の通勤者は職場と住まい以外への寄り道はできず、また中・高リスク地域に行ったり会合などに参加したりしてはならず、同居する家族や接触する同僚も規定によりPCR検査を義務付けると通告している。
さらに昆山市は、上海の中・高リスクからの移動者に引き続き「7日間の集中隔離+自宅での7日間の健康観察」を義務付け、通勤も認めていない。
中国初の地域間軌道交通である上海の地下鉄11号線は、今年2月14日からすでに4か月以上も昆山方面の区間が運休しており、今のところ運行再開の情報はない。
(中国経済新聞)