中国の電気自動車メーカー XPENG(小鵬汽車)の創業者兼CEOである 何小鵬 氏は6月10日、社内向けメッセージを通じて、人型ロボット事業を自ら直接指揮することを明らかにした。
何氏は、「今後は小鵬グループのCEOに加え、ロボット事業のCEOも兼任する」と表明。その理由について、「小鵬ロボットが量産と商業化の前夜という歴史的な転換点を迎えているためだ」と説明した。
同氏によると、小鵬の人型ロボット事業は、8年前に同社初の量産車「G3」の発売を控えていた時期と同じ段階にあり、現在は量産・納入開始の重要な局面に立っているという。

小鵬が開発する人型ロボット「IRON」は、2025年の「小鵬テクノロジーデー」で自然な歩行を披露し、大きな注目を集めた。その動きがあまりにも人間らしかったため、「内部に人が入っているのではないか」との疑惑まで浮上し、何氏自らロボットの脚部構造を公開して説明する事態となった。
何氏は、ロボット事業を同社の次世代成長戦略の中核と位置付けている。小鵬グループは今後10年間の成長エンジンとして、「自動車」「ロボット」「グローバル事業」の3本柱を掲げており、ロボット事業は同社が「スマートカー企業」から「フィジカルAI企業」へ進化するための重要なステップとされる。
現在、ロボット事業にはハードウェア開発、AI大規模言語モデル、サプライチェーン、製造、マーケティングなどグループ内の幅広いリソースが投入されている。何氏の直接指揮は、自動車事業で培った量産技術やグローバル展開のノウハウをロボット分野へ全面的に移植する狙いがあるとみられる。
小鵬は今後のロードマップとして、2026年第4四半期に人型ロボットの量産を開始し、2027年第1四半期には実店舗で接客や商品案内に活用する計画を示している。さらに2027年第2四半期には海外市場へ投入し、2028年には家庭向け普及を本格化させる方針だ。
何氏は、「小鵬の目標は、人に寄り添い自然に対話できる、安全で美しい人型ロボットを実現することだ」と強調した。遠隔操作型ではなく、ローカル環境で自然言語によるコミュニケーションや思考が可能なロボットの開発を目指しているという。

人型ロボット市場については、2026年が量産化の重要な節目になると見られている。米金融大手 Morgan Stanley は最近のリポートで、中国の人型ロボット産業が実証段階から実用化段階へ移行しつつあると指摘。巡回点検、観光サービス、製造業、家庭支援など幅広い分野で導入が進むとの見通しを示した。
同リポートでは、中国の人型ロボット販売台数が2026年に前年比133%増の2万8000台に達すると予測。さらに2030年には26万2000台、2035年には260万台へ拡大するとの見方を示しており、人型ロボット市場の急成長に期待が高まっている。
(中国経済新聞)
