中国国家外貨管理局は18日、2026年3~4月の越境資金動向を発表した。3月は外部環境の影響で一定の資金流出となったものの、4月には流入超過へ回復。3月と4月を合わせた月平均の流入超過額は149億ドル(約2兆3000億円)となり、中国の外為市場は全体として安定した動きを維持しているとの認識を示した。
同局によると、銀行の月平均の外貨買越額は280億ドル(約4兆3000億円)。市場関係者は、地政学リスクなどによる国際金融市場の変動が続く中でも、中国の越境資金の流れはおおむね安定しており、市場心理も落ち着いているとみている。
国家外貨管理局の統計では、2026年4月の銀行による外貨購入額は1兆7673億元(約38兆円)、外貨売却額は1兆4920億元(約32兆円)。1~4月累計では、外貨購入額が7兆948億元(約152兆円)、外貨売却額が5兆8526億元(約126兆円)となった。
また、銀行を通じた顧客の対外収入は4月に5兆7143億元(約123兆円)、対外支払いは5兆2889億元(約114兆円)。1~4月累計では、対外収入が21兆427億元(約453兆円)、対外支払いが20兆166億元(約431兆円)だった。
国家外貨管理局の李斌副局長兼報道官は、「地政学情勢の変化が国際金融市場に影響を与える中でも、中国の外為市場は全体として安定を保っている」と説明。「4月には越境資金が再び流入超過へ転じたほか、企業や個人など非銀行部門の越境収支総額は4月に1.6兆ドル(約248兆円)となり、前年同月比15%増加した」と述べた。
さらに、4月の外為市場取引額は3.7兆ドル(約573兆円)に達し、高水準を維持したという。
市場関係者は、単月データだけで外貨需給を判断するのは適切ではないと指摘する。企業の決済方式や輸出契約の履行時期、季節要因などによって短期的な変動が生じやすいため、複数月の動向を総合的に見る必要があるとしている。
外貨管理研究院の趙慶明副院長は、「全体として、中国の越境資金は安定した流入超過基調を維持している」と分析。2025年第4四半期以降、人民元相場が上昇基調にあることが企業の外貨売買行動に影響を与えていると説明した。
企業側では、為替変動を背景に外貨売却を前倒しする動きがみられる一方、外貨購入についてはコスト抑制のため、一部で購入を先送りする傾向も出ているという。
人民元相場について趙氏は、「円やユーロ、ポンドなど主要通貨と比べても変動幅は比較的小さい」と指摘。「市場では一方向への急激な元高・元安観測は広がっておらず、為替相場は安定した範囲内で推移している」と述べた。
また、企業の為替リスク管理能力も向上している。国家外貨管理局によると、2026年1~4月の企業による外貨デリバティブ取引額は前年同期比22%増加し、為替ヘッジ比率は33.6%と、2025年より3.7ポイント上昇した。
李副局長は、「企業の為替リスク管理意識が高まっており、外貨取引はより理性的になっている」と説明。4月には企業の外貨売却意欲がやや低下したものの、市場予想は引き続き安定しているとの見方を示した。
