中米首脳歓迎晩餐会で披露された名曲の数々 音楽で示した「文化外交」と友好のメッセージ

2026/05/18 17:15

トランプ米大統領の訪中を歓迎するため、中国側は5月14日夜、北京の人民大会堂で歓迎晩餐会を開いた。

人民大会堂の金色ホールでは、中国人民解放軍軍楽団が演奏を担当し、中国と米国を代表する名曲計12曲を披露。音楽を通じて両国文化の交流と相互理解を演出する構成となった。

指揮を務めたのは、中国人民解放軍軍楽団の王登梅(Wang Dengmei)氏。演奏曲は中国作品と米国作品をそれぞれ6曲ずつ選び、「中国の曲→米国の曲」の順で交互に披露された。東洋と西洋の旋律を織り交ぜることで、「文明交流」と「文化の相互尊重」というメッセージを打ち出した。

晩餐会は、中国陝西省の民謡「楡林小曲(ゆりんしょうきょく)」で幕を開けた。壮大な楽曲ではなく、中国西北部の素朴で親しみやすい民謡を冒頭に据えることで、「率直で温かな交流の始まり」を表現したとみられる。

続いて演奏された「America the Beautiful(美しいアメリカ)」は、米国を代表する愛国歌曲として知られ、雄大な自然への賛歌とともに、中米友好の歴史を想起させる選曲となった。

中国側はその後、「灯火里的中国(灯火の中の中国)」「梁山伯与祝英台(梁山伯と祝英台)」「在那銀色月光下(あの銀色の月光の下で)」「如願」など、中国を代表する作品を披露した。

「灯火の中の中国」は、近年中国で広く親しまれている楽曲で、無数の灯りがともる現代中国の繁栄と平穏を描いた作品。中国社会の発展と、人々の平和な暮らしへの願いが込められている。

「梁山伯と祝英台」は、中国の古典的な恋愛伝説を題材にした民族音楽の名作で、「東洋のロミオとジュリエット」とも称される。切なく美しい旋律によって、中国文化に根付く情感や精神性を世界に伝えた。

「あの銀色の月光の下で」は海外でも広く知られる中国民謡で、国境を越えて共感を呼ぶ叙情的な旋律が特徴とされる。

「如願」は、中国社会の発展を支えてきた人々の努力や献身を歌った楽曲として知られ、「今日の中国の繁栄は、多くの普通の人々の支えによって築かれた」というメッセージが込められている。

一方、米国側の楽曲としては、「Edelweiss(エーデルワイス)」「We Are the World」「Can You Feel the Love Tonight」「Y.M.C.A.」など、世界的に知られる名曲が選ばれた。

「Edelweiss」は映画『サウンド・オブ・ミュージック』で有名な楽曲で、穏やかで温かな雰囲気を会場にもたらした。

「We Are the World」は中国語で「天下一家」とも紹介され、人類運命共同体や国際協調の理念を象徴する選曲として位置づけられた。

「Can You Feel the Love Tonight」は映画『ライオン・キング』の主題歌として知られ、会場に優しく温かな空気を演出した。

また、「Sousa March Carnival(スーザ・マーチ・カーニバル)」も披露された。この作品は、“マーチ王”として知られる米国の作曲家ジョン・フィリップ・スーザ(John Philip Sousa)の代表的な軍楽作品で、西洋軍楽の壮麗な伝統を象徴する一曲として演奏された。

さらに、中国伝統文化を象徴する京歌「梨花頌(りかしょう)」も披露され、京劇の優雅さと華やかさを印象づけた。

晩餐会の最後を飾ったのは、米ディスコミュージックの代表曲「Y.M.C.A.」だった。この曲は、トランプ大統領が選挙集会などで頻繁に使用してきたことで知られており、中国側の「相手への理解と配慮」を示す選曲として注目を集めた。演奏が始まると、米国側出席者の表情が一気に和らぎ、中にはトランプ氏特有のダンスをまねる場面も見られたという。

中国メディアは、「音楽は国境を越える外交言語だ」と伝えており、今回の歓迎晩餐会は、文化交流を通じて友好と相互理解を深める“中国式外交”を象徴する場となったとしている。

(中国経済新聞)