中国航空会社、半年でエアバス機356機を発注 供給制約で納入遅延続く

2026/05/6 08:30

中国の航空会社による機材発注が相次ぐ一方で、機体やエンジン供給の制約により、納入遅延の問題が依然として業界全体の課題となっている。

中国南方航空(600029.SH)は4月29日夜、子会社の厦門航空とともにエアバスと契約を締結し、それぞれA320NEOシリーズ機を102機、35機購入すると発表した。これは過去半年間で6社目となる中国航空会社による機材購入の公式発表となる。

これに先立ち、春秋航空と吉祥航空はそれぞれ30機、25機のA320NEOシリーズを発注したほか、中国国際航空は60機、華夏航空は3機、さらに中国東方航空も101機の購入を公表している。南方航空の今回の発注を含め、中国の航空会社はこの半年で合計356機の機体をエアバスに発注したことになり、いずれも単通路機(ナローボディ機)である。

近年、エアバスは中国市場での受注を拡大しており、2025年には市場シェアが55%に達し、ボーイングを上回った。中国はすでに数年連続でエアバスにとって最大の単一国市場となっている。

一方、これらの機体の納入時期は2028年から2032年に集中している。例えば、南方航空の102機は2028年から2032年、厦門航空の35機は2029年から2032年にかけて引き渡される予定である。

航空機供給の逼迫は以前から指摘されており、2024年には世界第2位の航空機リース会社Avolonの最高財務責任者が、ボーイングおよびエアバスの主要機種は2030年まで完売していると明らかにしている。今回の発注も、将来の生産枠を確保する狙いに加え、エンジン問題による機材不足への対応とみられる。

エンジンを巡っては、2023年9月にプラット・アンド・ホイットニーがA320NEOシリーズに搭載されるPW1100エンジンの不具合を公表し、点検範囲の拡大を求めた。これにより、2024年以降、同エンジンを搭載した機体の一部が長期間運航停止となるケースが続いている。

さらに、エンジンや航空部品(航材)の不足により、機体の運航停止や新造機の納入遅延が増加している。中国の大手航空会社の一社は、エンジンや部品不足が機材の稼働率低下だけでなく、新機材の引き渡し遅延や価格上昇にもつながり、経営上の制約要因となっていると指摘している。

こうした状況はメーカー側の業績にも影響を与えている。エアバスが発表した2026年第1四半期決算によると、民間機の引き渡しは114機と前年同期の136機から減少し、売上高も11%減の84億ユーロとなった。減少の主因は引き渡し数の減少とドル安である。

エアバスのギヨーム・フォーリーCEOは、民間機分野で増産を進めているものの、プラット・アンド・ホイットニー製エンジンの供給不足が依然として課題であり、A320シリーズの生産能力拡大の鍵を握っていると述べた。この状況は2026年および2027年の生産計画にも影響を及ぼす見通しだ。

国際航空運送協会の統計によれば、2025年末時点で航空機の受注残は1万7000機を超え、現役機隊の約60%に相当する規模に達している。エアバスとボーイングの主力機種の生産枠はすでに2032年頃まで埋まっている。

南方航空の経営陣は、機体納入の遅延問題が緩和されるのは2028年頃になるとの見通しを示しており、その背景として国産機の生産能力向上や地政学的要因、原油価格の変動などを挙げている。

中国が開発したC919については、現在も生産能力の拡大段階にあり、2029年までに年間200機の生産体制を目指すとしている。

一方、機体供給の制約は航空会社にとって一部で需給バランスの緩和要因ともなっているが、同時にリース料の上昇という新たな負担も生んでいる。航空会社は退役の延期やリース期間の延長、機体の買い取りなどにより運航能力の維持を図っている。

航空機リース大手の渤海租賃(000415.SZ)は、2025年の航空機リース収入が約202億7800万元となり、前年比5.03%増で過去最高を記録した。2026年第1四半期の純利益も前年同期比35.57%増と大幅な増益となっている。同社によれば、今後3年間に引き渡される新造機の約85%はすでにリース契約が確定している。

航空需要の回復と供給制約が重なる中、航空機市場では機体価値やリース料が高水準で推移しており、供給不足の影響は今後もしばらく続く見通しである。

(中国経済新聞)