AIによる雇用代替、裁判所が違法と判断

2026/04/30 11:45

中国浙江省杭州市で、AI技術を導入して従業員の業務を代替した科技企業が、労働者を一方的に解雇したとして争われた裁判で、杭州の二審裁判所は企業側の行為を「違法な労働契約解除」と認定した。

同社はAIを活用して一部の職務を代替するとして、対象となる従業員に対して部署異動と給与引き下げを提案した。しかし従業員がこれを拒否したところ、会社は単独で労働契約を解除した。

従業員は労働仲裁を申し立てて勝訴し、企業がこれを不服として上訴したものの、杭州の中級裁判所は一審判決を支持し、企業による解雇を違法と判断した。

裁判所は判決理由で、「企業がAIを導入したことは、自主的な経営判断によるものであり、労働契約法が定める『客観的状況の重大な変化』には該当しない」と指摘した。また、「技術革新による影響が生じた場合、企業はまず従業員に対する研修や合理的な配置転換を優先的に検討すべきであり、技術更新のリスクを労働者に一方的に転嫁することは認められない」と述べた。

この判決は、中国国内で急速に進むAI導入と雇用問題の間で、労働者保護の重要性を改めて示すものとなった。企業がAIなどの新技術を活用して生産性を向上させる一方で、労働者の権利を十分に考慮しなければならないという明確な指針を示した点で、注目されている。

今後、中国の他の地域の裁判所でも同様の判断が相次ぐ可能性があり、企業の人事・労務戦略に大きな影響を与えると予想される。

(中国経済新聞)