上海富力環球中心が215億円で譲渡へ 

2026/03/14 14:30

中国不動産業界の低迷が続く中、かつて「華南五虎」の一角として知られた富力地産が、再び深刻な債務問題に直面している。北京銀行上海支店が、銀行業信貸資産登記流転センターを通じて、総額約9.3億元(約215億円)の不良債権を挂牌譲渡したことが明らかになった。この債権の債務者は富力地産の完全子会社である上海衆弘置業発展有限公司で、抵当物件は上海虹橋商務区核心エリアに位置する上海富力環球中心(虹橋富力環球センター)である。

上海富力環球中心は、2021年に完成した大型複合プロジェクトで、総建築面積約27万㎡を誇る。内容は5棟の甲級オフィスビル、リッツカールトンおよび万豪ACの2棟の国際ホテル、約3万㎡の商業総合体からなり、国家グリーン建築三星基準を採用したオフィスビルを中心に構成されている。プロジェクトは虹橋国際開放ハブの核心ビジネスランドマークとして位置づけられ、交通利便性が高く、完成後は大部分が実景化され、一部企業が入居しているものの、ホテルと商業部分はまだ本格稼働段階にあり、キャッシュフローの回収が遅れている状況だ。

今回の債権譲渡は、北京銀行が不良資産を積極的に清算する一環と見られる。

富力地産は近年、巨額の債務圧力に苦しんでおり、2025年末時点で逾期債務本金残高が368.1億元に達し、信用債、銀行融資、信託、融資リースなど多岐にわたる。2025年上半期の帰母純損失は40.46億元、総負債は2643.79億元(約6.1兆円)に上り、現金及び現金同等物はわずか6.88億元にとどまっている。境外債務再編(約50億米ドル規模)や境内債券再編が進んでいるものの、進捗は限定的で、流動性危機は深刻化している。2026年に入っても、広東の南海富力広場などが3.5億元で競売にかけられるなど、資産処分が加速しているが、低価格での売却が続いており、根本的な解決には至っていない。

(中国経済新聞)