沈勝(Shen Teng)主演『飛馳人生3(Pegasus 3)』が春節興行を席巻

2026/02/22 11:00

2026年の春節映画市場で、コメディ俳優の沈勝(Shen Teng)主演作『飛馳人生3(Pegasus 3)』が独走している。

ネット上のリアルタイム集計によると、2月21日14時25分時点で本作の興行収入は21億元(約420億円、1元=約20円換算)を突破。2026年春節興行で初めて20億元(約400億円)を超えた作品となった。

旧正月5日目までの時点で、上映回数のシェアは約37%を維持。1回あたりの平均観客数は40人を超え、春節公開作品の中で唯一「1回平均40人超」を記録している。

中国中央電視台(CCTV)の報道によれば、2026年春節期間の映画総興行収入(前売り含む)はすでに40億元(約800億円)を突破。『飛馳人生3(Pegasus 3)』『驚蟄無声(Silent Awakening)』『熊出没・年年有熊(Boonie Bears: Year of the Bear)』が上位3作品に入っている。

今年の春節映画公開期間は旧暦12月28日から正月初七までと例年より長く、「史上最長の春節公開期間」とも呼ばれる。上映期間の拡大が、興行収入の伸びを後押しした。

上場企業が複数作品に分散出資

この興行ラッシュの裏側では、制作会社、出品会社、宣伝・配給会社、そして映画館チェーンによる連携が進んでいる。2026年春節公開では、複数の上場企業が複数作品に出資する分散投資戦略を採用。リスクを抑えながら、ヒットの果実を狙う構図だ。

関与企業には、光線伝媒(Enlight Media)、中国電影(China Film)、横店影視(Hengdian Entertainment)、幸福藍海(Omnijoi Media)、博納影業(Bona Film Group)、万達電影(Wanda Film)、上海電影(Shanghai Film)、完美世界(Perfect World)などが名を連ねる。

『飛馳人生3』は光線伝媒、中国電影、横店影視、幸福藍海、博納影業、万達電影などが出品
『驚蟄無声(Silent Awakening)』は中国電影、光線伝媒、上海電影、万達電影などが出品
『熊出没・年年有熊(Boonie Bears: Year of the Bear)』は中国電影、横店影視、万達電影、完美世界などが出品

ただし、各社とも具体的な出資額や出資比率、利益配分の仕組みについては公表していない。光線伝媒は投資比率を「営業上の機密」と説明。横店影視も「出資はしているが比率は低い」としている。中国電影や博納影業も詳細は明らかにしていない。

「努力は無数、チャンスは一瞬」――シリーズの熱量を継承

『飛馳人生3(Pegasus 3)』はシリーズ第3作。前作に続き、沈腾(Shen Teng)演じる張馳(Zhang Chi)が最終戦後、中国代表チームを率いて最難関の大陸間ラリー「沐塵100ラリー」に挑む物語だ。シリーズはこれまで、夢を追うレーサーの姿と、笑いの中に涙をにじませる物語性で春節の定番ヒット作となってきた。「何度も努力してきた。チャンスはその中の一、二度しか訪れない」という台詞は、多くの観客の共感を呼んだ名言である。

第3作では、後半1時間以上にわたる迫力あるレースシーンが展開され、コメディとモータースポーツの要素をバランスよく融合。祝祭ムードに合う笑いと、胸を熱くする疾走感の両立が幅広い観客層を取り込んでいる。映画情報サービスによる予測では、本作の最終興行収入は42.75億元(約855億円)に達する見込みだ。

主演累計389億元超、400億元突破へ

本作のヒットにより、沈勝(Shen Teng)の主演映画累計興行収入は389.79億元(約7,796億円)に到達。主演俳優の興行ランキングで首位に立ち、呉京(Wu Jing)、劉昊然(Liu Haoran)が続く。

予測通りに推移すれば、沈勝は主演映画累計興行収入400億元(約8,000億円)を突破する初の俳優となる可能性が高い。

沈勝主演で30億元(約600億円)を超えた作品はこれまでに5本ある。

『你好,李煥英(Hi, Mom)』54.13億元(約1,083億円)
『満江紅(Full River Red)』45.44億元(約909億円)
『飛馳人生2(Pegasus 2)』33.61億元(約672億円)
『抓娃娃(Successor)』33.27億元(約665億円)
『独行月球(Moon Man)』31.03億元(約621億円)

これらのヒット作が、沈勝を興行トップ俳優へと押し上げてきた。

供給のバランスが市場を押し上げる

2026年春節には計8作品が公開され、直近5年で最多となった。業界関係者は、今年はジャンルや対象年齢層のバランスが比較的整っており、幅広い観客ニーズをカバーできている点が市場拡大につながっていると分析する。

『飛馳人生3』が高い興行成績を収めている理由としては、第一に、沈勝という国民的人気を誇るコメディ俳優の存在;第二に、後半を占める迫力あるレースシーンによる高い没入感が挙げられる。 祝祭にふさわしい笑いと、心を熱くする疾走感。その両立が実現したとき、春節映画市場の“勝者”が生まれる。2026年、その座を射止めたのは『飛馳人生3(Pegasus 3)』である。

(中国経済新聞)