香港特区政府土地登録処の最新データによると、2025年、香港全体の楼宇(建物)売買契約数は80,702件に達し、前年比18.7%増加した。これは近4年で最高水準となる。また、取引総額は6,142.77億香港ドルで、同15%上昇した。
香港の住宅価格と取引量がともに上昇した。2025年通年で、香港私人住宅售价指数(差餉物业估価署発表)は前年比約3.25%〜3.3%上昇し、2021年以来初めての年度プラスとなった。これは、長年にわたる下落傾向からの明確な反転を示すシグナルである。
実際、香港住宅価格はすでに半年以上にわたり回復基調にある。中原城市領先指数(CCL)によると、中古住宅価格は2025年3月に底を打ち、5月以降徐々に上昇を続け、現在までそのトレンドが継続している。CCLは2025年を通じて約4.7%の上昇を記録し、18ヶ月以上ぶりの高水準を更新する場面も見られた。2026年に入っても上昇が続き、2月時点で149ポイント台に達し、週次で1.47%の上昇を記録するなど、勢いが加速している。

この回復の背景には、いくつかの要因が挙げられる。まず、香港政府による印花税(印紙税)緩和や「撤辣」措置の影響で、初めての購入者や中国本土からの投資家需要が急増した。特に中国本土投資家による住宅購入額は2025年に1,380億香港ドルと過去最高を更新し、取引総額の約5分の1を占めた。また、香港金管局(HKMA)が米国連邦準備制度理事会(FRB)に追随して複数回の利下げを実施したことで、按揭(住宅ローン)金利が低下し、購入者の負担が軽減された。香港株式市場の大幅上昇による富効果も、住宅需要を後押しした。
取引量の面では、新築住宅市場が特に活況を呈した。2025年の新築住宅取引は約2.06万件と、2019年以来の高水準に回復し、中古市場も約3.98万件と4年ぶりの高水準となった。全体として、住宅市場の需給バランスが改善し、在庫減少傾向が鮮明となっている。
専門家らの見通しは明るい。摩根・スタンレーは2026年の住宅価格上昇率を10%以上と予測し、匯豊(HSBC)なども年間7%程度の上昇を見込んでいる。人口流入(特に中国本土からの人材・学生)、低金利環境の継続、経済成長の安定などが、さらなる需要を支えると期待されている。一方で、土地供給の減少や地政学的リスクも注視する必要があるが、現在の勢いから見て、香港楼市は本格的な回復局面に入ったと言えそうだ。
この変化は、香港経済全体のポジティブな循環を象徴しており、2026年以降のさらなる上昇が市場の大きな注目点となっている。
(中国経済新聞)
