中国政府、NVIDIA H200チップの購入を一時停止するよう指示

2026/01/9 18:10

中国政府が本国企業に対し、米エヌビディア(NVIDIA)のH200チップの調達を一時停止するよう求めたことが分かった。関係者によれば、これは恒久的な措置ではなく、国産半導体産業の育成とAI産業の発展をどう両立させるかについて、中央政府が現在制度設計を検討している過程での「暫定対応」だという。

背景には、米国側の政策転換がある。先月初め、米国の大統領トランプは、H200チップの対中輸出を承認した。ただし条件として、エヌビディアが中国向けに輸出するH200 GPU1枚ごとに25%の追加費用を課す仕組みが導入された。

H200は、最新世代の「Blackwell」シリーズが登場した後では“一世代前”の製品に位置づけられるものの、その性能は依然として中国の国産AIチップメーカーが到達できていない水準にある。そのため、中国のテック企業にとっては依然として極めて魅力的な選択肢だ。

中国政府自身も、国産半導体はH20やRTX Pro 6000Dといった製品と一定程度競合できる段階に来ていると評価する一方、最新のBlackwellシリーズ、さらには今回対中輸出が認められたフル機能版の「Hopper」シリーズとの間には、なお大きな性能差があることを認めている。

今回の調達停止指示は突然のように見えるが、実際にはトランプ政権がH200の輸出規制を緩和して以降、中国政府は国内の主要IT企業と継続的に協議を重ねてきた。一部報道によれば、すでに複数のサーバーメーカーはキャンセル不可・条件変更不可の形でエヌビディアと契約を結んでおり、約8万2,000枚のGPUが2026年2月中旬にも中国に到着する見通しだという。企業側が政策変更リスクを承知の上で発注に踏み切ったことは、H200に対する需要の切迫度を如実に物語っている。

中国政府が直面する最大の課題は明確だ。国産チップ産業を保護・育成しながら、AI産業全体の成長スピードを落とさないことである。検討されている案の一つとして、外国製GPUを輸入する企業に対し、一定割合で国産チップの併用・購入を義務づける方式が挙げられている。具体的には、推論(インファレンス)用途を国産半導体に任せ、学習(トレーニング)など高性能を要する工程にH200を限定的に使うという分業モデルだ。

ただし、正式な方針はまだ発表されていない。現時点で中国のテック企業は、今後エヌビディアのGPUを調達できるのか、できるとしても数量はいくらになるのかを待つほかない状況にある。

H200を巡る今回の動きは、米中テクノロジー摩擦の延長線上にある政策調整であると同時に、中国が「自立」と「成長」の間で揺れ動いている現実を映し出していると言える。

(中国経済新聞)