「感情」を写す時代へ──OPPO Reno15が拓く次世代スマホ体験

2025/12/3 17:45

スマートフォン業界がスペック競争に明け暮れるなか、1億画素カメラや大型センサーは中価格帯以上の端末ではもはや“当たり前”の装備となった。撮影性能の差別化が難しくなった今、ユーザーが端末を選ぶ決め手はどこにあるのか。

OPPOが示した答えは、「ユーザーの感情そのものを捉え、残す」というアプローチだ。

■ 感情の瞬間を“そのままの温度”で記録する

OPPOはReno15に、独自の「ライブコラージュ機能」や「Natural Toneライブエンジン」を搭載した。風に揺れる髪の動き、友人が笑いながら涙ぐむ一瞬の表情──。これまで静止画では失われていた微細な動きや気配を、そのまま生きた質感で収めることができる。

まるで時間がゆっくりとスローモーションになるかのように、ありふれた日常の一瞬が鮮やかな記憶としてよみがえる。この“感情の再現性”こそが、若い世代から支持を集める原動力となっている。

■ 発売初週でAndroid首位 Renoシリーズの底力

Reno15は、11月21日の発売から1週間(21〜27日)でAndroidスマートフォンの単体販売台数ランキングで首位を獲得した。Renoシリーズ全体の好調もあり、OPPOは11月の2500〜4000元帯で市場シェア1位となっている。

Renoシリーズの累計稼働台数は中国国内で約1億台、世界60以上の国・地域で1億3000万台を突破。IDCの調査でも、OPPOは今年1〜3四半期の400〜600ドル帯で出荷量トップを維持している。

その源流は、2013年に登場した「Rシリーズ」だ。軽量デザインと高いカメラ性能で一世を風靡し、中国市場でiPhoneの長年の単品首位を押しのけたこともある。2019年にRenoとして生まれ変わり、ターゲットを若者層に明確化した。

■ 若者の心を読み取る、OPPOの開発姿勢

Renoシリーズの強さの背景には、特に「女子大学生」を中心とした若いユーザーを徹底して理解しようとする姿勢がある。

今年4月、OPPOのプロダクトマネージャー・思雨氏はSNS「小紅書(RED)」で、静止画を三分割で並べる“出圈図”が人気を集めていることに気づいた。自身でも試してみたものの、ライブ写真がテンプレートに当てはめた瞬間に静止画化され、髪が揺れる動きや視線の細かい変化といった“生命感”がすべて失われてしまうことを痛感する。

さらに、背景の切り抜き、明るさ調整、人物合成……と作業は煩雑で、「気軽な記録」という感覚からは程遠い。

「OPPOの技術で、これを“動くコラージュ”として再現できれば、もっと自由な感情表現ができるはず」。この着想が、Reno15の新しい映像体験につながった。

■ 開発者が“ユーザーになる”フィールド調査

Renoチームの調査はSNS分析だけにとどまらない。実際にユーザーの生活空間に入り込み、行動そのものを追体験する。

女子大学生の撮影習慣を理解するため、開発者がディズニーランドまで足を運ぶこともある。光の角度を待ち、立ち位置を調整しながら、回転木馬で“揺れる髪の光”を捉えようとする姿。そうした情熱を目の当たりにし、「鮮やかさはスペックではなく、体験の再現にこそ宿る」と気づいた開発者もいたという。あるエンジニアは「実際に乗ってみて、ユーザーが求めているのは“風が頬をなでた感覚そのもの”だと分かった」と語る。

■ 学生を“外部プロダクトマネージャー”として招く

Renoチームはさらに、SNSで活躍する大学生クリエイターを“外部プロダクトマネージャー”として招き、機能のブラインドテスト、撮影散歩(Photo Walk)での実地検証、UI/UXの細部確認といった共創プロセスを継続的に行っている。こうした“軽く、しかし深く”ユーザーに寄り添う対話が、Renoシリーズの個性と支持を支えている。

■ 感情を写し、記憶を呼び起こすスマートフォンへ

若い世代がスマートフォンに求めているのは、もはや“高画質”だけではない。そこに残したいのは、瞬間の温度、心が揺れた気配、自分の人生の“質感”だ。

Reno15のヒットは、スマートフォンが再び「感情を記録するための道具」へと進化しつつあることを象徴している。

(中国経済新聞)