ディズニーの長編アニメ映画『ズートピア2(Zootopia 2)』が中国で好調な滑り出しを見せている。公開5日目の11月30日時点で、興行収入は18.3億元(約384億円)に達し、前作『ズートピア』の15.38億元を上回って、輸入アニメとして中国歴代1位となった。
単日興収・観客動員で記録更新
映画チケット大手「猫眼(マオヤン)」によると、11月29日の単日興行収入は7.38億元(約155億円)で、その日の全体興収の94.8%を占めた。大型連休期を除けば異例の数字とされる。

同日の観客動員は1875万5千人を記録し、『哪吒2』(Ne Zha2)が持つ1732万人を更新。国内アニメ映画として最高記録となった。中国映画全体でも2021年の『唐人街探偵3』に次ぐ歴代2位となる。いくつかの劇場では深夜帯の上映枠が増設され、未明の回でも満席に近い状況が続いた。
上映回数も過去最多に
29日の全国上映回数は36万7,200回で、単作品としての単日上映回数が中国史上最多となった。翌30日には37万9,000回に達し、2日連続で記録を更新した。
当日の上映占有率は76%を超え、着席率は38.6%、1回あたりの平均入場者数は51.1人に上った。このほか、国内冒険映画および輸入冒険映画の単日興収1位、上座率1位など複数の項目で首位を獲得した。
29日午後時点の単日興収は5.527億元(約116億円)となり、『アベンジャーズ/エンドゲーム』を超えて、輸入映画としての単日興収でも中国歴代1位となった。

世界興収は4.66億ドル 最終興収予測も上方修正
世界興行収入はすでに4.66億ドル(約728億円)を突破した。中国での最終興収予測は、猫眼が42.63億元(約896億円)、灯塔(ダンター)プロフェッショナル版が40.55億元(約851億円)といずれも高水準となっている。
映画の好調を受け、関連企業にも恩恵が広がっている。中国での輸入・配給を担当する中国電影(チャイナ・フィルム)は、11月28日に株価がストップ高となった。
中信出版は、ディズニー公式ライセンスの関連書籍シリーズを展開。
実豊文化(シーフォン・カルチャー)は、ディズニー主要キャラクターを活用した商品開発を強化している。
アパレル企業の森馬服飾(Semir)や、衣料品大手ユニクロ(UNIQLO)もコラボ商品を発売。
飲料大手の瑞幸珈琲(ルイシンコーヒー)、スポーツブランド李寧(リーニン)、外食チェーンマクドナルドなども相次いでタイアップを打ち出している。
作品の勢いを背景に、アパレル、出版、食品・飲料、キャラクターライセンスといった関連分野で企画や商品展開が活発化している。映画市場だけでなく、消費市場全体に波及効果が広がる可能性が指摘されている。

(中国経済新聞)
