中国からマレーシアへ向けて移送された 大熊猫(パンダ)「辰星(しんせい)」「暁月(ぎょうげつ)」が、18日夜、クアラルンプール国際空港に無事到着した。これにより両国は、今後10年間にわたるパンダ保護協力研究の新たな段階に入る。
到着した2頭を出迎えるため、在マレーシア中国大使館の鄭学方(てい・がくほう)公使やマレーシア政府関係者が空港に集まり、伝統的な放水アーチによる「水門礼(すいもんれい)」で盛大に歓迎した。
「辰星」「暁月」の到着を心待ちにする人々は、マレーシア国立動物園の側門にも早くから集まっていた。その一人である地元の女性、陳麗萍(ちん・れいへい)さんは、記者の取材に対し、かつてマレーシアに滞在していたパンダ「福娃(ふくあ)」「鳳儀(ほうぎ)」の人気を振り返り、多くの住民がパンダを通じて交流を深めたと語った。
「『福娃』『鳳儀』が中国に帰ってからも、ファン同士で中国へ会いに行ったんです。今回『辰星』『暁月』が来てくれたので、また友達に再会したような気持ちです」と陳さん。彼女は中国の友人から頼まれ、「辰星」「暁月」の到着動画をいち早く送る予定だという。マレー系の若い女性マースさんも、「新しいパンダが来てくれて本当にうれしい」と声を弾ませた。

夜11時30分ごろ、「辰星」「暁月」は国立動物園の隔離区に到着。動物園は検疫期間中に2頭が快適に過ごせるよう、5部屋の広い隔離室を整備している。記者が確認したところ、各部屋には特色があり、床に新鮮な竹を敷いた部屋や、パンダがくつろげる休憩用ネットを備えた部屋もあった。さらに、室内の温度や湿度を常時管理できる計測器も設置され、環境管理が徹底されている。深夜にもかかわらず、飼育スタッフは2頭の体調確認や環境調整に追われ、作業は深夜まで続いた。動物園によると、「辰星」「暁月」は検疫が終了次第、一般公開される予定だ。
長らく続くパンダ貸与を通じて、中国とマレーシアの市民交流は大きく進展してきた。「パンダのおかげで中国の友人がたくさんできました。パンダは本当に“友好の大使”ですね」と陳さんは語る。今後、マレーシアの市民と新たなパンダの交流がどのように深まっていくのか、期待が高まっている。
(中国経済新聞)
