中国国慶・中秋連休、24億人超の越域移動で過去最高水準 

2025/10/9 09:30

中国交通部は10月9日、2025年10月1日から8日までの国慶節と中秋節の連休期間に、全国社会全体の越域人員流動量が24億3200万人次に達し、日平均3億400万人次となったと発表した。これは2024年の国慶節7日間日平均を6.2%上回る過去最高水準で、経済回復と観光需要の急増を反映している。交通運輸部は、道路・鉄道・航空・水路の各分野でスムーズな輸送管理を実施し、渋滞緩和や安全対策を強化した成果を強調した。

交通運輸部のデータによると、連休中の総越域移動量は前年比で顕著な増加を示した。鉄道客運量は累計1億5396万人次、日平均1924万人次で2.6%増。高速鉄道網の拡大により、都市間移動が活発化し、北京-上海線などの長距離路線が満席続きとなった。一方、道路分野では累計2億2475万1000万人次、日平均2億8094万人次で6.5%増を記録。このうち、事業性客運量(バス・長距離バス等)は累計3066万7000万人次、日平均3833万人次で2.9%増。高速公路および一般国道・省道の非事業性自家用車人員流動量は累計1億9408万4000万人次、日平均2億4261万人次で7.1%増となり、家族旅行の増加が目立った。

水路客運量は累計1167万人次、日平均146万人次で4.2%増。長江デルタ地域のフェリー利用が活況を呈し、観光客の地方移動を支えた。民航客運量は累計1917万人次、日平均240万人次で3.4%増。国内線を中心に予約が殺到し、上海浦東空港や北京首都空港ではピーク時に1日あたり50万人超の乗降を処理した。

交通運輸部副部長の李小鵬氏は記者会見で、「今年の連休は国慶と中秋が重なり、史上最長の8日間となった。越域移動の爆発的増加に対し、事前予約システムの活用とAIによる交通予測を導入し、渋滞を10%低減させた」と語った。連休中、地方政府は高速道路の無料通行措置を延長し、観光地へのシャトルバスを増便。結果として、大型事故は前年比15%減少し、全体的な交通安全水準が向上した。

経済アナリストは、このデータから中国の消費回復を読み取っている。連休中の国内観光収入は前年比12%増の約6000億元(約12兆円)と推計され、ホテル・飲食業が活気づいた。一方で、環境負荷の増大が課題として浮上。北京や上海では大気汚染指数が一時上昇し、グリーン交通の推進が今後の焦点となる。

(中国経済新聞)