李強首相、G20第20回サミットで演説「持続可能な経済成長」に向けて団結の重要性を強調

2025/11/24 11:05

11月22日(現地時間)、中国の李強(り・きょう)国務院総理は、南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれた二十カ国・地域(G20)指導者第20回サミットに出席し、第1セッションで「包摂的で持続可能な経済成長」をテーマに演説した。会議にはG20各国の首脳やゲスト国、国際機関の代表が参加し、南アフリカのラマポーザ大統領が議長を務めた。

「団結こそ力」——世界経済の課題に向けた中国の姿勢

李強総理は、習近平国家主席が第17回G20サミットで述べた「団結は力であり、分裂に道はない」という言葉を引用し、G20が地域や制度の違いを乗り越えて世界的な課題に取り組んできた歴史を振り返った。

そのうえで、世界経済はいまも深刻な困難に直面しており、単独行動主義や保護主義の台頭、貿易摩擦の拡大などが国際協力の妨げになっていると指摘した。

李強総理は、こうした状況の背景には各国の利害の相違や、国際協力の枠組みの不足があるとし、G20は現実的な問題を直視しつつ解決策を探り、「協力と団結の道」に立ち返る必要があると強調した。

自由貿易、多国間主義、国際機関改革を提唱、演説では、次の3点が重要だと述べた。

1. 自由貿易の堅持と開放的な世界経済の構築

世界経済の回復が遅れる中、各国は互いに支え合う姿勢を持ち、自由貿易を守り開放性を高めるべきだとした。

2. 求同存異の姿勢と対話による対立解消

立場が異なる局面でも最大公約数を見いだし、平等な協議を通じて摩擦や対立を適切に処理し、各国が抱える合理的な懸念に対応すべきだと強調した。

3. 多国間主義の推進と国際経済ガバナンスの改革

世界銀行、IMF、WTOといった国際機関の改革を加速させ、途上国の発言権を高め、より公平で開かれた国際経済秩序を築く必要性を指摘した。

さらに中国は、「G20アフリカ・最不発達国工業化支援イニシアチブ」を実行に移すための中国の行動計画を発表し、途上国の債務負担軽減を支持した。加えて南アフリカと共に「アフリカ近代化支援イニシアチブ」を提案し、各国の共同発展を促す「グローバル発展学院」の設立も明らかにした。

各国首脳、G20の役割強化と団結の必要性を確認

参加した各国の指導者は、G20が20年以上にわたり国際社会の課題に協力して取り組む重要なプラットフォームとして機能してきたことを評価した。

同時に、世界は依然として不安定性と不確実性の高まりに直面しており、主要経済国から成るG20が責任を果たし、連帯と協調を一層強める必要があるとの認識を共有した。

各国は、多国間主義の擁護、WTOを中心とした貿易体制の維持、国際経済ガバナンス改革、発展格差の是正などに取り組むことで、強靭で均衡の取れた、包摂的かつ持続可能な経済成長の実現を目指す姿勢を示した。

(中国経済新聞)