1~10月の国家鉄道貨物輸送量、過去最高を更新 前年同期比3%増の33億7,800万トン

2025/11/24 09:30

中国鉄道が発表した最新データによると、2024年1〜10月の国家鉄道による貨物発送量は累計33億7,800万トンとなり、前年同期比3%増を記録した。これは歴史上同期間で過去最高となる数字であり、日平均の貨車積載数も18万6,000車と前年から4%増加した。鉄道輸送の拡大は物流コストの削減や経済の安定運行に重要な役割を果たしている。

鉄道部門では年初以来、現代的な物流体系の構築を加速させるとともに、物流サービスの質向上や鉄道貨物輸送のデジタル化を推進してきた。鉄道貨物予約システム「95306プラットフォーム」の機能強化も進み、より高度な物流サービスが提供されている。

■ 物流製品の供給が最適化

鉄道部門は市場需要に応じた新たな輸送サービスを拡充している。都市間高速貨物列車や大量直送列車、専門特化型の物流サービス、冷凍食品などを扱う低温物流など、多様なニーズに対応した取り組みを強化した。

また、鉄道と水運を連携する「鉄道・水運一体型輸送」の単一契約制度も発展し、1〜10月には3万箱(※コンテナ換算)の予約を獲得。鉄道・水運一体型輸送によるコンテナ輸送量は1,425万8,000箱と、前年同期比16.2%増となった。

■ サービス品質の向上

「駅から駅」の輸送から、「発地点から届け先までの一貫輸送」への転換も進む。トータル物流契約による取り扱い量は累計13億6,000万トンに達した。さらに、中国鉄道のネットワーク貨物プラットフォームには16万2,000台の車両が登録され、道路・鉄道の連携輸送が効率化している。

物流金融サービスも強化され、運賃ローン、信用状による決済、物流書類の担保融資、運賃証書の活用などを通じて、企業が受けた累計与信額は2,376億元に達した。専用線(企業敷地と鉄道を結ぶ引込線)の運用サービスの最適化も進められ、手続きのオンライン化が推進されている。

■ 国際物流は安定的に拡大

国際貨物輸送も堅調に拡大している。税関部門や各国の鉄道機関との連携が強化され、通関効率が向上した。

中国〜欧州を結ぶ国際貨物列車:2万8,000本(7.8%増)
中国〜ラオス鉄道の国境貨物:452万トン(14%増)
「ランサン・メコン快速線」国際貨物列車:908本、37万トン
西部陸海新ルートのコンテナ輸送:120万箱(64%増)

これらの取り組みにより、中国と周辺国・欧州との国際物流ネットワークはさらに強化されている。

■ 重要物資の輸送も力強く支援

石炭、冶金用原料、穀物など国計民生にかかわる重要物資の輸送も安定して行われた。1〜10月の石炭輸送量は17億3,200万トンで、このうち発電所向けの電力用石炭は11億7,800万トンを占めた。冶金原料は9.1%増、穀物輸送は13.8%増と、いずれも前年を上回った。

中国の鉄道貨物輸送は、国内物流の基盤としてだけでなく、国際物流でも存在感を高めており、安定した経済運行を力強く支えている。

(中国経済新聞)