東に開き西を承け、南北をつなぐ安徽は、徽墨(きぼく)の香り漂う江南の水郷であると同時に、広い空と白雲が広がる北方の平原でもある。2025年9月20日、世界製造業大会が安徽・合肥で盛大に幕を開けた。「智造世界・美好創造」をテーマに掲げる世界規模の製造業の祭典がスタートしたのだ。
革新はすでに安徽の発展を支える血脈となっている。「天都一号・二号」による月面測位通信技術の先行検証から、「人工太陽」が「億度千秒」の新記録を樹立するまで。深海質量分析計で国内の空白を埋め、「祖冲之三号」が世界の量子計算記録を更新するまで。安徽には建設済み・建設中・研究準備中の大型科学装置が13基、国家級の製造業イノベーションセンターが3カ所あり、地域イノベーション力は13年連続で全国トップクラスに名を連ねている。
製造からスマート製造へ――安徽の技術革命と産業変革は、絶えず新たな火花を散らしている。2025年上半期、安徽の自動車生産は149万台を超え、そのうち新エネルギー車は73万台を突破し、ともに全国首位となった。世界のディスプレイパネルの約10%、産業用ロボットの約8%、家電の15%、太陽光発電モジュールの20%には「安徽製造」の刻印がある。科大訊飛(コダーシンフェイ、中国のAI企業)を代表とする企業は、羚羊工業大規模モデルや星火自動車インテリジェント開発プラットフォームを発表し、人工知能と製造業の深い融合を示している。
厚みある文化的土壌は、安徽のものづくりに独自の気質を吹き込んでいる。7000年以上前の双墩遺跡、5000年以上前の凌家灘文化――。安徽発祥の黄梅戯(こうばいぎ、中国五大戯曲の一つ)は中国五大戯曲の一つで、『天仙配』『女駙馬』といった名作は今も広く歌い継がれている。徽州三彫は精緻な技法で、徽州人の精神性を刻み込んでいる。

食文化もまた安徽の魅力だ。臭鱖魚(チョウケツギョ)、毛豆腐(マオドウフ)、淮南牛肉湯(わいなんぎゅうにくスープ)など、独特の調理法と鮮烈な味わいで知られる料理の数々は、多くの人に愛されている。庶民の知恵が息づくこれらの伝統料理は、安徽の人文の厚みと素朴で温かな風土を映し出している。
いま安徽は、開かれた姿勢で世界を迎え、革新を翼に、文化を根に据え、さらに安徽の名を刻んだ「完美(皖美)」な明日へと駆け出している。安徽・合肥で出会い、製造業の祭典を分かち合い、スマートな未来をともに創っていこう。
ソース: The 2025 World Manufacturing Convention
(中国経済新聞)