ジャック・マー氏、アリババ園区に姿 時価総額は再び3兆香港ドル超え

2025/09/17 18:00

中国IT大手アリババグループ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が9月16日、杭州市のアリババ園区B区内にある「HHBバー」に姿を見せた。アリババ合伙人の邵暁鋒(Shao Xiaofeng)氏と同行しており、来訪者に気づかれると手を振って応じ、マスクを着けてその場を後にしたという。同バーは2019年1月に馬氏自身が立ち上げた場所だ。

注目すべきは株価の動きである。アリババの香港上場株(9988)は9月17日、寄り付きで前日比2.74%高となり、約4年ぶりの高値を更新。午前10時23分時点では3.65%高の159.1香港ドルで推移し、時価総額は3兆345億香港ドル(約57.7兆円)に達した。今年に入り株価は累計で96%超の上昇となっている。

業績面では、アリババは次世代のオープンソース大規模言語モデル「Qwen3-Next」を発表。高い学習効率と推論性能を特徴とし、AI分野での競争力強化を打ち出した。さらに、9月10日に開始した地図アプリ「高徳(ガオドゥ)」の新機能「高徳掃街榜」では、初日だけで4000万人以上が利用するなど話題を呼んでいる。

アリババ本社PARK

経営体制も刷新された。今年8月、アリババは従来の「1+6+N」体制から四つの事業グループへと再編。中国電商事業、国際デジタル商業事業、クラウドインテリジェンス事業、その他事業に整理された。饿了么(ウーラマ)は中国電商に統合され、高徳、物流の菜鳥、動画配信の優酷、大麦網などは「その他事業」に組み込まれた。

中国IT大手の成長期待を背景に、資金流入も目立つ。Windのデータによると、港株テック30ETF(513160)は年初来で25.84億口以上の新規資金が流入し、増加率は1665%を超えた。

アリババとテンセントという中国の二大インターネット企業は、AI事業を新たな成長ドライバーと位置づけ、投資家の注目を一層集めている。

(中国経済新聞)