中国、記録的な高温でエアコン需要が急増

2025/07/20 07:30

中国内陸部に巨大な「熱ドーム」が漂い、猛烈な日差しが照りつけている。この熱ドーム効果により、中国中部のほとんどの地域が熱波に襲われ、今年最も過酷な「焼きつくような」状態に陥っている。7月15日、陝西省宝鶴市の眉県では気温が47.3℃を記録し、鄭州、重慶、武漢などの大都市でも40℃を超える気温が観測された。地表温度はどこを測っても70℃以上となっている。東北地方も同様に高温に見舞われ、中国最北端の都市、漠河では気温が一時35℃を超えた。

東北地方では、かつては夏の避暑地として知られていた地域で、気温が37℃や38℃に達する異常な高温が記録されている。これにより、東北や内モンゴル自治区ではエアコンの設置需要が急増し、多くのブランドのエアコン注文が前年比で数倍、場合によっては数十倍に跳ね上がっている。これまで夏のエアコン需要が低かったこれらの地域は、エアコン設置の「空白地帯」だったため、設置作業員の数や工具の準備が不足している。突然の膨大な需要に対応しきれず、設置作業はしばしば2週間後にまでずれ込む状況だ。メーカー各社は急遽、他の地域から設置作業員を動員し、全国各地からエアコン設置の技術者たちが工具を携えて北へ向かっている。かつての避暑地は、今やエアコン設置の熱い舞台と化している。

中国のエアコン普及率はすでに非常に高く、都市部の家庭では91%、100世帯あたり約185台の保有率となっている。農村部でも普及率は65%で、100世帯あたり約120台だ。保有台数が世帯数を上回るため、多くの家庭が複数台のエアコンを所有しており、全国平均では1世帯あたり約1.6台のエアコンがある。全国4億9000万世帯以上という膨大な基数を考慮すると、中国全体のエアコン保有台数は約8億台に迫る。

東北地方の多くの地域でエアコンの設置が進む中、エアコンは中国の家庭における「選択的消費財」から「必須消費財」へと変化している。今年上半期、全体の家電小売額は11%増加したが、高温熱波の影響でエアコンの小売額は急増し、20%の成長を記録した。エアコンおよび冷房産業は、業界成長の主導的役割を果たしている。

(中国経済新聞)