中国の民営銀行19行、定期預金金利が2.5%を下回る

2025/06/30 07:30

5月20日、中国の国有大手銀行が初めて預金金利の引き下げを実施し、3年物および5年物の定期預金金利がそれぞれ1.25%、1.3%に低下した。これに対し、民営銀行の同期間の定期預金金利は依然として2%以上を維持しているものの、2.5%を超える商品は存在しない。

現在、19の民営銀行の中で最も高い定期預金金利を提供しているのは上海華瑞銀行で、3年物が2.4%、5年物が2.35%となっている。一方、資産規模で上位2位を占める微衆銀行(WeBank)と網商銀行(MYbank)の定期預金金利はそれほど高くなく、両行の2年物および3年物の金利はともに1.6%にとどまる。これらの銀行は定期預金商品よりも、銀行理财商品を基盤とした「活期+」と呼ばれる短期商品を前面に押し出しており、一部の商品では金利が3%を超える。

注目すべきは、上海華瑞銀行、重慶富民銀行、無錫錫商銀行など複数の民営銀行で「金利逆転」現象が見られることだ。3年物の金利が5年物を上回る傾向が顕著である。

中国金融シンクタンクの特別研究員である余豊慧氏は、「民営銀行の集中的な金利引き下げは、現在の金融市場環境下で、これらの銀行が資金コストの抑制に迫られていることを反映している。国有大手銀行と比べ、民営銀行は市場での資金調達に大きく依存しており、負債コストが比較的高い。そのため、金利変動に対する感度が高く、市場状況に応じて預金金利を頻繁に調整することは、負債構造の最適化とコスト削減を目指す柔軟な戦略の一環である」と分析している。

(中国経済新聞)