中国のレアアース輸出規制、一部日本企業に許可承認

2025/06/18 09:15

北京日本商会の本間哲朗会長は6月17日の記者会見で、中国が実施しているレアアースおよび関連製品の輸出規制が、在中国の日系企業の生産と輸出に影響を及ぼしていると明らかにした。中国は今年2月にタングステンなどの金属に輸出規制を導入し、4月には7種類のレアアース原料および関連製品を規制対象に加えた。これにより、日系企業の事業運営に支障が生じている。

本間会長によると、日本商会は5月に理事会を開催し、輸出規制に関する議論を行った。その後、5月28日に中国商務部と面会し、懸念を伝えた。中国商務部はこれに対し理解を示し、日系企業の円滑な事業運営を支援する措置を講じると表明。一部輸出許可が承認されたという。本間会長は「引き続き中国当局と対話を続け、問題解決に向けて取り組む」と述べた。

日本商会は中国商務部に対し、いくつの要望を提示した。第1に、輸出許可申請の書式統一を求めた。現在、申請は地方政府の商務局が受理しているが、書式が地域ごとに異なり、一部の書式ではレアアース磁石を使用した最終製品の全品目を記載するよう求められる。これについて、多くの企業が対応に苦慮している。企業は輸出規制やデュアルユース品目の管理の必要性を理解しつつ、統一書式での情報提出を可能にしてほしいと訴えている。

第2に、輸出許可審査の能力強化を求めた。本間会長は、4月4日から7種類のレアアース関連品目の規制が発効して2カ月以上が経過したが、実際に承認された許可は少ないと指摘。一部日系自動車企業は原料不足により生産停止に追い込まれたと、複数の日本メディアが報じている。

この規制の影響は日本国内にも波及している。6月上旬、鈴木自動車は静岡県相良工場で小型車「スイフト」の生産を停止した。レアアースの供給不足が背景にあるとみられる。

日本商会は、今後も中国側との協議を通じて、企業の事業環境改善を目指す方針だ。

(中国経済新聞)