春節を控えた中国で、国産アニメが再ブームを招いている。年末年初にオリジナル作品のCGアクションコメディ映画「雄獅少年/ライオン少年2」が全土で上映され、大ヒットした。ひたむきに夢を追いかける少年の姿が魅力的で、現実を極めてリアルに表現した画面は圧巻である。ある取材記者は、「上海の陸家嘴や外白渡橋、あるいは豫園の街並み、どれもみな本物さながらだ」と言った。また飛行機の小窓から見える翼の震えまで表現しており、「まるでロケで撮影したみたいだ。アニメなのか現実なのか見分けられない」との感想も述べた。
「雄獅少年/ライオン少年2」のハイライトはアクションシーンである。特にガチで格闘する数回の場面では、肉弾戦を演じる攻撃感や様々な動きの中での筋肉の細部、流れ落ちる汗の筋など、まるで本物の人間が戦っているようで、「臨場感」をもたらし、ダイレクトで強力なビジュアルインパクトを与えている。
作品のプロデュース側によると、「アニメ作品の多くは想像力を自由に巡らせるものだが、この作品は普通の人や実際の生活の中から生まれたものである故、『リアリティー』を基本線とすることにした」という。「画面では、1つ1つの草が動き、薄い葉も全部裏表を描き、草から漏れる日の光の影までリアルに表現しようとした」とのことである。
またアクションシーンでは、設計にあたり本物の一連の武術動作を描くように務めた。格闘シーンはすべて本来の動きをベースとし、技術的に人間の動作のキャプチャーとアニメを結び付けた形として戦いの場面をふんだんに造った。プロデュース側はまた、「アニメで造られた筋肉や皮膚、汗などを制作スタッフが改良し、すべての一コマを極めてリアルな形に再現した」とも述べた。
「雄獅少年/ライオン少年2」は現在、豆瓣の評価点は2024年の中国アニメ映画の中でトップとなる8.4点である。最初から最後までハイレベルな画面テンションやビジュアル感覚が見られ、中国アニメの技術レベルが一段と向上している姿が見える。
アニメでは、込み入った場面やアクション、特撮場面は、膨大な計算根拠によるレンダリングが必要である。今回の「雄獅少年/ライオン少年2」では、レンダリングに4億コア時間(実際に費やしたCPUコア数×時間)以上がかかり、フィルム化の時間はPart1の3~4倍で、特殊なシーンではフレームあたりのレンダリング時間が100コア時間(毎秒24フレーム)以上となる。またメモリー量は150TBを超え、1日のデータ転送量は10TBだった。
「雄獅少年/ライオン少年2」でレンダリングを担当した賛奇科技(XSUPERZONE)のレンダリング技術総監である王磊氏は、「レンダリングの本質はバーチャルな3次元の世界を本物さながらに2次元画面へ映し出すことだ。これにより、画面上でバーチャル世界が生き生きと表現される」と述べている。
賛奇科技は今回の作品で、ファーウェイクラウドと提携してわずか3か月で主要レンダリングを完成させた。王氏によると、ファーウェイクラウドが計算、メモリー、ネットワークの3方面でトータル的な技術ソリューションを提供したという。
作品のレンダリングではまた、ファーウェイクラウドの最新のAIによる加速技術を活用しており、昇騰(Ascend)クラウドのAIトレーニングサービスとAI推理サービスをベースにトータルで70%効率アップしている。またメモリーやネットワークについて、ファーウェイクラウドが開発したLazyloadingなどの技術も、ビジュアル性の向上に一役買った。ファーウェイクラウドと賛奇科技は以前にも、映画「長津湖」「長津湖之水門橋」「流転の地球2」「封神1」「昆侖神宮」などでタッグを組んでおり、柔軟かつスピーディーなレンダリングで業界内でも高く評価されている。
(中国経済新聞)