中国政府の財政次官がPwC会長と会談

2024/10/4 07:30

2024年9月19日、中国財政省の郭婷婷次官は財政省庁舎で、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)のグローバル会長であるモハメド・カンデ氏(Mohamed Kande)と会談した。

カンデ会長は、PwCの中国国内の主要部門である「普華永道中天会計事務所」(PwC中天)が不動産大手の恒大地産の粉飾決算を容認したことに遺憾の意を表明したほか、中国財政省による制裁を確実に実行し、PwC 中天における業務の改善をサポートし、会計監査の質を引き上げていくと述べた。また、「中国経済の見通しには十分に期待を寄せており、外国企業の誘致や海外投資を一段と支えていきたい」とも述べた。

郭次官は、指示に従って処分を受け入れたPwCの姿勢を評価した上で、会計事務所は中国の法律や法規を忠実に守って業務のレベルを引き上げるべく有効な策を講じるべきだと強調した。また、「中国財政省は引き続き会計事務所に対する監視を強化し、不正な行為は法により処分して業界の健全な発展を促す」と指摘した。またPwCに対し、今後も中国の改革開放や質の高い発展に貢献してほしいとも述べている。

中国財政省は2024年9月、「中華人民共和国公認会計士法」と「中華人民共和国行政処罰法」に基づき、恒大地産に対する不正監査に関与したPwC中天と所属の公認会計士に対し、行政処罰を決定した。

PwC中天については、2019年、2020年の不正行為は証券監督管理会から処分が下されていることから、2018年に実施した監査について、違法な所得と制裁金の合計額1.16億元(約23.9億円)を没収するとした。また警告を発した上、6か月間の営業停止および広州支店の廃止を命じている。

また公認会計士については、恒大地産の2018年~2020年の財務諸表に対する監査報告に署名した4人は資格をはく奪し、連結財務諸表の作成を手掛けた7人に対して警告および罰金を科すとしている。

(中国経済新聞)