世界の情報技術研究やコンサルティングを手掛けるIDCが先ごろ発表した、2024年上半期の中国のワイヤレスイヤホンに関するリサーチによると、出荷量は前年同期比20.8%増の5540万台で、うち完全ワイヤレス型(TWS)は5.6%増の 3508万台、オーバーイヤー・ワイヤレス・ステレオ(OWS)は一気に303.6%増えて1184万台となった。
TWSがさほど伸びなかった理由ついてIDCは、ノイズカット技術が普及したことで製品の技術的難易度が薄れ、市場を動かすほどの違いがなくなっているからと見ている。またオープンタイプであるOWSが伸びたことでシェアが奪われている。完全ワイヤレスのうち耳掛け式は出荷量が前年比1015%増、耳挟み式は522%増であった。
技術的にある程度の難易度があり、特定層の需要がある骨伝導イヤホンはすでに成長が弱まり、2024年上半期の出荷量は前年比34%増であった。この上半期は、OWSのほかヘッドホン式も好調であり、通常のモデルチェンジ品のほか国外の音響メーカーが準主力品を売り出し始め、2万円以上の市場が細分化している。また国内の音響メーカーは初心者級の商品に特化している。よって、消費者の多様なニーズも満たされている。
IDCは、中国のワイヤレスイヤホンの出荷量は今後も緩やかに増えると予測しており、この中で完全ワイヤレス型が主流となりトップを維持するという。またオープンタイプは2024年の登場段階を過ぎて伸びが徐々に収まり、ネックバンド型は後退傾向、ヘッドホン型はある程度の技術的難易度や安定需要をバックに、高品質音声への需要から小幅な伸びとなるという。
(中国経済新聞)