中国、eスポーツの産業規模が3兆円を突破

2024/06/20 11:30

国際オリンピック委員会(IOC)理事会は6月14日、総会で「eスポーツ五輪」の開催を提案した。

IOCのバッハ会長(Thomas Bach)はこの日、オンラインでの記者発表会で、「eスポーツ五輪の開催はデジタル革命のペースについていく大きな一歩だ。今回の提案はeスポーツ界を盛り上げるもので、われわれも大変うれしい」と語った。バッハ会長は、今年初めに韓国の江原道で行われた冬季ユース五輪で、新華社の独占インタビューに対し「2025年か遅くとも2026年に第1回eスポーツ五輪の開催を考えている」と述べていた。

IOCはこのところeスポーツ五輪の実行について検討を続けており、2023年6月にはシンガポールで初のオリンピックeスポーツウィークを開催した。IOCにとって初めての「eスポーツ(Esports)」と名付けた現場大会の開催であり、かなりの意気込みが感じられた。

実行に向けて入念に取り組むIOCとは異なり、アジア大会ではすでに競技種目に取り入れている。実施内容は広く知れ渡った従来のeスポーツ競技である。杭州アジア大会組織委員会は2021年、「英雄連盟」「王者栄耀(オナー・オブ・キングス、アジア大会バージョン)」「和平精英(ゲーム・フォー・ピース、アジア大会バージョン)」「FIFA Online 4」「炉石の伝説」「ストリートファイター 5」「夢三国 2」「DOTA 2」の8種目について競技を実施することを最終確認した。

そして2023年9月24日、第19回アジア大会にeスポーツが登場し、9月26日にeスポーツセンターで行われたオナー・オブ・キングス(アジア大会バージョン)の決勝戦で、中国が2:0でマレーシアを下し、初代チャンピオンとなった。

eスポーツは中国で、2003年11月に国家体育総局により99番目の正式なスポーツ種目に認められ、広く一般化される機会を得た。ただしこの年のeスポーツの市場規模は10億元(約217億円)以下であった。

それが今、中国は世界最大のeスポーツ市場となった。今年1月の第6回中国eスポーツ産業大会で発表された「2023年中国eスポーツ業界研究報告」によると、2023年は中国のeスポーツの市場規模がおよそ1664億元(約3.6兆円)とのことである。

このところ、モバイルゲームの普及やライブ配信、ショートビデオの流行を受け、eスポーツの愛好者は相当数に達している。「2023年度中国eスポーツ産業報告」によると、2023年のeスポーツ人口は前年比0.1%増の4.88億人であったる。報告では、新手の商品や品種が出ていること、また杭州アジア大会の成功を受けて社会的に関心が集まったことから、愛好者の数は今後もっと増えるものと見ている。

(中国経済新聞)