中国のフードデリバリー大手美団(メイトゥアン)、2023年は売上高が前年比25.8%増

2024/03/29 13:00

中国の料理宅配大手「美団」(メイトゥアン)が3月22日発表した2023年の決算報告によると、売上高について、年間では前年比25.8%増の2767億元(約5.8兆円)、第4四半期は前年同期比22.6%増の736.96億元(約1.55兆円)で、調整後の純利益は前年比427.6%増の43.75億元(約917.7億円)であった。

美団の創業者である王興(Wang Xing)氏は、電話会議で「激しい競争が続いているデリバリーサービスの中でシェアを伸ばし、目標を達成した。業界は今すでに安定傾向にある。競合他社はそれぞれ策を講じているが、われわれは業界のリーダーとなる確固たる自信を持っている」と述べた。

美団は、来店(アプリで店の情報や値引き情報を入手してから、店での飲食や、レジャー、宿泊などをし、アプリ側は手数料や販売費を手に入れる)、宿泊・観光事業について、大切なのはキャンペーンだという。2023年は様々なライブ配信を実施したほか、キャンペーンを通じて宿泊・旅行関連で競争力を高め、さらには地方都市でもPRを展開し、キャンペーンにより売り手やユーザーを拡大した。

美団はまた、2023年「美団優選」(コミュニティー通販事業)がさほど伸びなかったことについて、通販全体が伸び悩んだことと、リアル店舗に客足が戻ってきたことを理由に挙げている。また業界は競争が非常に激しく、価格の改定が難しくなっている。

「美団優選」(Minrida Supermarket)については、効率は年々上昇しているがまだ赤字を抱えているという。実施してから4年近くが経過し、かなりの資源を投入していて事業も佳境に入りつつある。今年は方針を改め、赤字減らしに努め、これまでの経験を元に今一つ効率をアップして補助金を削減する方向に動く。

「華泰証券」は「美団優選」について、2023年は1件当たりの契約実行料や補助金が高額だったので赤字がかさんだと見ている。24年は赤字の大幅削減を事業方針としており、取り組みの軸をシェア拡大から利用具合の改善にシフトするので、向こう2年間で赤字が大幅に減る見込みという。それ以外の新しい事業も2024年には収支同等になりそうである。

(中国経済新聞)