理想汽車、時価が3.4兆円以上ダウン

2024/03/26 07:30

3 月 19 日、中国の新興電気自動車(EV)メーカーの「理想汽車」は香港とアメリカでまたも株価が値下がりした。香港では、中国時間3月19日午後4時の時点で8.35%下がって127.4香港ドル(約2457円)、時価は2538億香港ドル(約4.89兆円)で、アメリカでは現地時間3月18日の終値で12.23%下がり33.15ドル(約5000円)であった。新車「MEGA」を発表してから、株価は香港で3割近く、アメリカで25%以上ダウンし、時価が合わせて1800億元(約3.47兆円)も下がったことになる。

これについて業界の専門家は、MEGAの売れ行きが思わしくないことを主因に挙げている。期待を背負って売り出されたが、値段やデザインについてどうも評判が芳しくないという。買おうにも高すぎて二の足を踏む状態となっている上、ネットでは見た目が今一つ格好良くないという評価が出ており、中には「霊柩車だ」などというコメントもある。このため会社自体のイメージや口コミも随分と損なわれている。

また、新エネ車の競争が激化していることも株価下落の原因である。各社が次々とこの分野に参入して競争が一段と白熱化し、また買う側もクルマへの好みがさらに多様化している。このような市場環境で理想汽車は、消費者の信頼や人気を獲得するため、商品の質やサービスレベルを常に格上げしていかなければならない。

理想汽車にとって初めてのEVとなるMEGAは出だしでつまずいたが、L シリーズはやはり業績を支える柱の一つである上、注目度の高いミドルサイズの新型SUV「L6」が4月にデビューする。売値は20 万元(419万円)前後で、これをきっかけした販売増も期待できそうである。

(中国経済新聞)