3月12日午後、中国スポーツ用品大手の「李寧」(LI-NING)は香港で株価が一時期およそ20%も値上がりし、2023年12月以来の高値となる24.5香港ドル/株(約463円/株)となった。創業者の李寧氏が会社の非公開化を検討しており、TPG、PAGやヒルハウス・インベストメントなど、世界や地域で複数の未公開株と接触していると伝えられている。
李寧は3月12日、終値が8.07%上昇の22.1香港ドル/株(約418円/株)で、時価総額は約571億香港ドル(約1.08兆円)だった。ただ2021年9月6日に期中で106.764香港ドル/株(約2017円/株)まで達しており、2年半で8割近く値下がりしたことになる。
このような価格や取引量の乱高下について会社側は、「状況を適切に調査したが、このようになった原因も、証券の空取引を避けるために発表すべき資料も、規定により開示すべき内部事情もわからないことを取締役会で確認した」と発表した。
李寧は、株式市場での盛り返し目指し、2023年9月以降に自社株を合わせておよそ9.61億香港ドル(約182億円)購入した。また2023年12月に、22億香港ドル(約416億円)をかけて香港でビルを購入したほか、計画通りに30億香港ドル(約567億円)以内で自社株買いをすると発表した。これについて広発証券は、自社株買いを続けることで期待感が生まれ、株式市場で回復感が生まれるだろうと見ている。
李寧は今のところ2023年の年間決算を発表していないが、浦銀国際の推測では、売上高は前年比6%増の273億元(約5610億円)、純利益は同24%減の31億元(約637億円)で、利益率は11.3%に後退すると見ている。しかし2024年は、チャネル在庫が徐々に改善されることなどで純利益が40億元(約822億円)にまで回復するとのことである。
(中国経済新聞)