アメリカ下院の超党派議員は現地時間3月5日、動画共有サービスTikTokを運営する中国のテクノロジー企業「バイトダンス」に対し、165日以内にTikTokの売却を求める法案を提出した。この法案は、国会の承認が必要で、今週木曜日に予備投票が行われる。
「外国の競合相手のアプリからアメリカ人を守る」という内容であるこの法案はまた、本社または登記先が一部の国にある会社が管理するSNSアプリに対して、大統領が禁止や制限といった措置を講じることが可能になるものという。アプリ運営会社がこうした事態を避けるためには、株の売却などによりこれら対象会社との関係を立ち切ることが必要になる。さらにまた、国外の競合会社はアプリ運営会社への株式取得率を20%以下とするよう求めている。
法案が成立した場合、バイトダンスが165日以内にTikTokを売却しなければ、アップルやグーグルなどのアプリストアがTikTokのホスティングサービスを禁止され、TikTokもアメリカ企業との提携が不可能になる。
TikTokの広報はこの法案に対し、「はぐらかしてはいるが、つまりはTikTokを完全に締め出すものだ。1.7億人のアメリカ利用者にとって憲法修正1条の権利を踏みにじり、500万社の中小企業における成長と雇用創出の場を奪うことになる」と応じている。
TikTokに対しては、アメリカだけでなく、EUも2月19日に「未成年者の保護、広告の透明性、研究者のデータアクセス、有害なデザインやコンテンツの管理などについて「デジタルサービス」(DSA) に違反していないか調査するための手続きを始めたと発表した。EUは、「2023年9月にTikTokが発表したリスク評価報告への大まかな調査や、EUからの違法コンテンツ、未成年者保護、データアクセスなどに対するTikTokの返答を踏まえた上で、DSAに基づきTikTokに調査手続きを始めると決定した」と表明した。
こうしたEUの対応についてTikTokは、「若者を保護する機能や設定をすでに用意しており、13歳以下の子供が利用できないようにしている」と応えている。
(中国経済新聞)