不動産大手の碧桂園、返済申し立て受ける

2024/03/2 19:30

債務の再編を進めている中国の不動産開発大手『碧桂園』が最近、Ever Credit Limited(建滔集団)から返済申し立てを受けた。約16億香港ドル(約308億円)のタームローンファシリティーの不払いと未払利息に関連したもので、2024年2月27日に香港の高等裁判所で受理された。碧桂園は、これにより清算となった場合、清算条例182条により以降の株式譲渡は無効と見なされる。

碧桂園は申し立てに「断固反対する」と表明した上、このような行動は清算の成功にはつながらないと強調した。現在は法的見地について問い合わせており、合法的な権益を守るためにあらゆる措置を講じるという。最初の審理は2024年5月17日に行われる。

碧桂園はこうした中、「Ever Credit Limitedに関する債務は、海外の負債の中でもごくわずかなものであり、一つの債権者の行動で支払いや正常な運営、海外の債務再編に重大な影響が生じることはない」と表明している。また今回の申し立てで再編の計画やスケジュールに対する実質的な影響もなく、引き続き海外の債権者と意思疎通をして早期に再編策を発表する予定とし、さらに問題の解決に向けてEver Credit Limitedと話し合うとのことである。

碧桂園は、すべての海外の債務について期日通りの返済ができないと発表したのち、資本の構成や流動性を評価し全体の解決策を制定すべく、財務や法律のコンサルタントを招いている。また海外の主な債権者と意思を疎通させる体制も作るなど、再編への動きを前向きに進めている。会社の清算ですべてのステークホルダーが損失を被るものと見て、住宅購入者、債権者、投資家、社員などの権益を維持すべく、海外の主な債権者と話し合って最善の解決策を探っている。

なお、今回申し立てをしたEver Credit Limitedは、碧桂園の株主でもある。碧桂園は去年、2.7億香港ドル(約52億円)の債務を返済するため、Ever Credit Limited向けに新株を発行することに同意し、規模拡大後の資本の1.25%分を発行した。銅張基板の製造を主力事業としているEver Credit Limitedは、契約に沿って碧桂園に18.8億香港ドル(約362億円)を融資している。その一部の返済に同意している碧桂園は、この株式売却で約2.7億香港ドル(約52億円)分を相殺しており、残りの返済額はおよそ15.98億香港ドル(約307.6億円)となっている。 Ever Credit Limitedの2023年上半期決算を見ると、銅張基板や化学品の売上や単価の低下、および不動産部門における住宅販売量の減少により、売上高、株主帰属の純利益ともに減少している。