中国の家電量販大手・蘇寧易購(ST易購)は6月29日夜、子会社の蘇寧国際とともに大連万達集団を相手取って起こした契約紛争について、南京市中級人民法院が一審判決を言い渡したと発表した。裁判所は万達集団に対し、蘇寧易購へ残代金17億4700万元(約350億円、1元=20円換算)と、支払い遅延による損害金を支払うよう命じた。
今回の紛争の発端は2018年にさかのぼる。当時、万達商業が香港市場から非公開化された後、中国本土A株市場への上場を目指していた時期に、蘇寧易購は万達集団および万達商管と戦略提携契約を締結した。蘇寧国際は万達商管の株式4.02%を取得したが、その後、万達商管の上場計画は実現せず、近年は万達、蘇寧の双方が経営難に直面している。
蘇寧易購は2024年10月、万達集団と万達商管が戦略提携契約に違反し、株式買い戻し条項が発動したとして、総額50億4100万元(約1008億円)の株式買い戻し代金を請求する訴訟を提起した。また、万達集団に契約に基づく支払い義務の履行を求める訴訟や、万達商管による資産売却決議の無効確認を求める訴訟もあわせて起こしている。
今回公表された判決は、万達集団に契約上の支払い義務の履行を求めた案件に関するものである。判決では、万達集団に対し、判決確定後10日以内に残代金17億4700万元を支払うほか、2024年2月26日から2026年2月13日までの支払い遅延損害金を、1年物LPR(最優遇貸出金利)の1.5倍の利率で支払うよう命じた。また、訴訟費用877万6800元(約1億7600万円)も万達集団の負担とされた。一方で、蘇寧易購側のその他の請求については棄却された。
ただし、この判決は現在控訴期間中であり、まだ法的効力は発生していない。今後の控訴や強制執行の結果には不確実性が残されている。
一方、蘇寧易購は現在、経営再建の途上にある。2026年第1四半期決算では、親会社株主に帰属する純利益は2890万5000元(約5億7800万円)となり、前年同期比60.94%増と黒字基調を維持した。しかし、特別損益を除いた純利益は8億6100万元(約172億円)の赤字となり、赤字幅は前年同期比333.49%拡大した。営業活動によるキャッシュフローも6億7800万元(約136億円)にとどまっている。
さらに同社は、原告・申立人として新たに総額5億3600万元(約107億円)、被告・被申立人として総額2億100万元(約40億円)の未公表訴訟・仲裁案件を抱えていることも明らかにしており、経営再建と並行して複数の法的対応を進めている。
(中国経済新聞)
