中国航天科技集団は10日、長征十号乙(CZ-10B)運載ロケットを海南商業航天発射場から12時15分に打ち上げ、1段目(ブースター)の制御回収に成功したと発表した。1・2段分離から約6分後、1段目は垂直帰還し、海上回収プラットフォーム上で無事回収された。
これにより、中国は米国に次ぐ世界2カ国目として大推力再使用型ロケット技術を掌握した国となり、世界で初めて運載ロケットの網系回収技術を実用化した国となった。

長征十号乙は2段直列構成の大型液体ロケットで、芯段直径5メートル、全長約70メートル。再使用能力を備え、1段目には7基のYF-100K液体酸素・ケロシンエンジン、2段目には1基のYF-219液体酸素・メタンエンジンを搭載する。1段目を完全回収した状態での近地球軌道(LEO)運搬能力は16トン以上とされ、米SpaceXのファルコン9号と同等の水準にある。
今回の打ち上げの最大の注目点は、中国が独自に開発した海上網系回収技術の検証だった。米国とは全く異なる技術路線を歩み、矢体を網系で捕捉・回収する方式を採用。海上プラットフォーム上の柔軟な網構造により着陸衝撃を緩衝し、成功裏に回収した。これにより、同ロケットは技術検証段階から実任務能力検証段階へと移行した。
中国航天当局は、この成功を「再使用型ロケット技術の重要なマイルストーン」と位置づけており、今後の商用打ち上げコスト低減や高頻度打ち上げの実現に向けた大きな前進と期待されている。
(中国経済新聞)
