日本元外務大臣・岩屋毅氏、日中貿易促進協会会長に就任へ、9月訪中方針

2026/07/10 15:49

日本国際貿易促進協会(日貿促)は、6月に死去した河野洋平元衆議院議長の後任として、岩屋毅前外務大臣を新会長に充てる方向で調整を進めている。7月中旬に総会を開き、正式に選出する見通しで、早ければ9月下旬にも岩屋氏が代表団を率いて中国を訪問する計画だ。

岩屋毅氏は自民党衆議院議員(当選11回)で、第2次安倍内閣で防衛大臣を務め、石破政権では外務大臣として外交を主導した経験を持つ。外相在任中は王毅中国外交部長と複数回会談を行い、李強首相への表敬訪問も実現。中国人向けビザ緩和(10年有効観光複数回ビザの新設など)や日中人的交流の拡大を推進するなど、日中関係の安定化に積極的に取り組んできた。安全保障分野では尖閣諸島情勢や東シナ海での中国活動に懸念を表明しつつ、「戦略的互恵関係」の包括的推進を一貫して主張する現実主義的な対中外交で知られる。

関係者によると、日中経済交流の主要窓口である同協会は、河野氏の死去を受け、当初6月に予定していた訪中団の規模を縮小し、会長代行の橋本岳元厚生労働副大臣ら4人が訪中して中国外交部の幹部と会談していた。新会長就任後、交流の正常化を図る動きが加速する。

昨年11月の高市早苗首相による台湾有事に関する国会答弁以降、日中関係が冷却化する中でも、同政権は民間ルートを通じて中国との対話パイプを維持したい考えだ。日貿促は1950年代から日中貿易交渉・交流を担ってきた最も主要な日中友好団体の一つである。

高市政権は、安全保障や台湾問題では強硬姿勢を崩さない一方で、岩屋氏のような豊富な外交・防衛経験を持つ人物を会長に据えることで、経済・民間交流の分野で関係悪化を防ぎ、日本企業の中国事業を守り、将来的な公式対話の余地を残す「二重軌道」的な対中戦略を展開しているとみられる。これは、国内政治的な要請と現実的な経済利益の両立を図る現実的な対応と言える。

(中国経済新聞)