タオバオ、Wechatペイの導入を拡大

2024/02/24 14:30

中国で、アリババグループ傘下の「タオバオ」とIT大手のテンセント(騰訊)傘下のWechatペイが相互接続する機能を設け、注目を集めている。最近、タオバオで注文したものがWechatペイで決済可能となった模様であるが、現在は一部のユーザーや商品のみが対象となっている。タオバオのコールセンターによると、「近いうちにすべてのユーザーや商品がWechatペイ利用可能となる」と話している。これについて、タオバオは正式な回答をしていないが、コールセンターではWechatペイの利用を徐々に広めていることを認めている。

 「タオバオ」とWechatペイの提携は今回が初めてではなく、2022年8月にタオバオがWechatでのスキャン決済機能を始めている。また2023年9月25日には、アリババグループ傘下のインターネット広告取引プラットホーム「阿里ママ」が、テンセントの広告事業との提携を一層強化すると発表した。Wechatの各種アプリをタオバオやTmallのストア、商品情報に直結させて、Wechatをタオバオにおける重要なアクセス源としている。

こうしたタオバオの取り組みについて、iiMedia ResearchのCEOである張毅氏は、経営戦略やユーザー拡大への改革と見ている。インターネットでユーザー数増加が頭打ちになっている今、Wechatペイによるユーザーの拡大が必要となっているほか、自由化への取り組みでタオバオに主体性をもたらすものという。張氏は、「どのアプリもユーザーの増加が望めなくなっている今、相互接続は苦境を切り抜けるのに必要な策となっている」と指摘している。

しかし、完全な相互接続をするには課題もある。ユーザーの声として、Wechatペイを利用してタオバオで注文した場合、返金する際に遅延したり経路が不明確になったりする恐れがあるという。2022年から一部ユーザーを対象にWechatでの決済を導入してはいるが、全ユーザーが対象ではないということは、完全な接続をするにはまだ課題があることを意味している模様である。

(中国経済新聞)