アメリカの大手半導体メーカー「エヌビディア」は現地時間12月28日木曜日、アメリカ政府による中国への輸出規制に適合した先端ゲームチップの修正版を発表した。

「GeForce RTX 4090D」というこのチップについてエヌビディアは、性能、効率、AIによる製図について「飛躍的に伸びた」とし、1月から中国に販売すると表明している。

またエヌビディアは、このチップのデザインについて「アメリカ政府の輸出規制に完全に適合している。開発の際に政府と広範囲に接触した」とも述べている。

中国向けとなるRTX 4090 Dの販売価格は、アメリカで販売されている別の高級ゲームチップ「RTX 4090」と同じ12999元（約25.8万円）となる。

ただエヌビディアのホームページで中国向け製品の欄を見ると、RTX 4090DはCUDAコア数がRTX 4090より11%少ない。エヌビディアの広報部門によると、RTX 4090 Dは規制対象となるRTX 4090に比べ、ゲームやビルドが5%スピードダウンするという。

RTX 4090 Dは、バイデン政権が今年10月に新たなチップの規制策を発表してから、エヌビディアが初めて製造した中国向けのチップである。最新の規制策により、それまで中国向けに作っていたエヌビディアAIチップであるA800とH800が販売禁止となったほか、RTX 4090も規制の対象となった。

エヌビディアはすでに中国向けのチップを開発中であると表明していて、今回発表された最新のRTX 4090DはまさにRTX 4090の代替版となる。

70億ドル（約9872億円）規模という中国のAIチップ市場で、エヌビディアの製品は90%以上を占めている。アナリストによると、アメリカの輸出規制により中国国内のチップメーカーに市場参入の機会が生まれる見込みという。

エヌビディアは2023年、テック会社としてAIの大規模言語モデルの普及が完全に追い風となり、年の最後の営業日の株価は年初比でプラス240%であった。時価も1.23兆ドル（約173.5兆円）に落ち着いている。

また、先月発表されたエヌビディアの第三四半期決算を見ると、売上高は前年同期比205%増の181億ドル（約2.55兆円）に達し、純利益は同じく約14倍増の92.4億ドル（約12.9兆円）となっている。

（中国経済新聞）