12月23日、ハードディスカウントのチェーン店「比宜徳(Biyide)」が突如、12月22日に営業を停止したと発表した。理由も明らかにしていない。
資料によると、比宜徳はドイツ人のPhilipp Spangenberg氏が中国で立ち上げたハードディスカウントのブランドで、2016年に上海で1号店をオープンしている。2019年には店舗数が100店以上となり、急成長期には上海やその周辺都市を中心に200店以上を数えた。
店の面積はおよそ200-300平方メートルで取扱品目数は600点であり、会社情報によると売上高は2017年-2021年に年平均120%の割合で伸び続け、その約40%がオリジナルブランド品によるものであった。
また比宜徳は、店舗数の拡大に向けて2021年にArgan Capitalから数億元(数十億円)の長期融資を受けている。
関係者によると、比宜徳の事業モデルは慎重でほぼすべてが直営店であり、店舗面積も大きくはないが、客足を招くためにほとんどが通り沿いに位置し、賃料もかなりの額であるという。直営店方式はつまり全額負担ということで、薄利となる安売り店にとってはかなりの負担となる。
また、「比宜徳は品数が少なく、店にあるのは500~600のSKUであり、これでは選べるものも少ない。マネジメントについては、ディスカウントストア自体がサプライチェーン問題や価格抑制に見舞われているほか、小売業はコロナ禍でかなりの支障を受けている」と関係者は述べている。
もちろん激しい競争も厄介な問題となっている。比宜徳の社員によると、ディスカウント市場は7年前は未踏の分野だったが、今は安売り合戦のさなかであるという。中でも、アリババ系スーパーのアウトレット「盒馬奥莱」の店舗増が追い打ちとなり、かなりのダメージを受けているという。
会員制の店やスーパー、デパートなどはここ数年、コスト高や競争の激化により同じような悩みを抱えている。「カルフール」も閉店ラッシュに見舞われ、会員店も激戦状態であり、小売業者はみな苦しい立場に置かれている。
(中国経済新聞)