中国のEC大手「拼多多(ピンドウドウ)」が時価総額でアリババに迫る

2023/12/1 20:30

11月28日、中国の電子商取引(EC)大手の「拼多多(ピンドウドウ)」が再び市場予想を上回る決算報告を行った。2023年第3四半期の売上高は前年同期比94%増の688億元(約1兆4,200億円)、営業利益は前年同期比60%増の167億元(約3,452億円)。第1~3四半期の前年同期比成長率は、売上高が75%、営業利益が71%だった。決算発表後、拼多多の時価総額は一時1830億ドル(約27兆円)に達し、アリババとの差は100億ドル(約1兆4,800億円)に縮まり、中国の電子商取引(EC)大手の京東(ジンドン)の4倍以上となった。

昨年第3四半期と比較すると、電子商取引や食料品通販に加えて、今年の拼多多には、海外事業Temuが加わっている。Temuの急速な拡大は、昨年9月1日、米国で最初のプラットフォームを開始して以来、48の国と地域に拡大。これは、第3四半期には、拼多多の販売とマーケティング費用が前年同期比55%増、営業費用は前年同期比262%増に急騰した。

しかし、人件費「一般管理費」は第3四半期に前年同期比16%減、2023年第1~3四半期には7%減となった。

これらのデータは、拼多多の効率性を示している。新事業Temuは、利益が出ていないものの、全体の営業利益は増加。大規模で重要なビジネスが追加されたことで、人件費は増加するどころか減少した。Windのデータによると、今年9月末時点で拼多多の従業員数は約1万3000人にとどまっており、アリババの18分の1、京東の35分の1に相当する。

2023年第1~3四半期の総収益1,588億元(約3兆2,800億円)を基に計算すると、第1~3四半期における同社従業員の一人当たりの売上高は1,222万元(約2億5,200万円)となり、同時期の京東の7.07倍、アリババの4.17倍、一人当たりの営業利益は京東の55.8倍、アリババの5.81倍となっている。

他のECプラットフォームや大手インターネット企業が、さまざまな新規事業を展開する中、拼多多はECと食料品に特化した事業を展開。こうしたビジネスモデルにより、拼多多は長期にわたって全てのリソースを主要事業に捧げることができ、過去の経験を再現して最適化し、効率を向上させることに成功した。

(中国経済新聞)